「山城国葛野の別」が近江の蚊野に分住、社前には神饌田残る
軽野神社 滋賀県愛知郡愛荘町蚊野2286
[住所]滋賀県愛知郡愛荘町蚊野2286
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軽野神社(かるのじんじゃ)は、滋賀県愛知郡愛荘町蚊野にある神社。近鉄鉄道本線の愛知川駅の東約4.5キロ。名神高速道路の湖東三山スマートICの西。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「輕野神社(近江国・愛智郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。「山城国葛野の別」が近江の蚊野に分住し、祖神を祀ったとも。御祭神は袁邪本王で、父である日子坐王を配祀している。

『古事記』に、彦坐王の次子「袁邪本王者、葛野之別、近淡海蚊野之別祖也」とあり、『新撰姓氏録』には「軽我孫公、治田連同祖、彦坐命四世孫白髪王之後也」とある。

一族に穴田君、熊取王、徳万君などがあり、この末流が蚊野氏を称したという。奈良、平安の頃は興福寺領となったことから、春日大明神とも称した。

平安時代の天慶年間(938年-947年)兵火に罹ったという。また、安土桃山時代の元亀年間(1570年-1573年)にも兵火に罹り、古記録など灰燼に帰した。

江戸時代になり、元禄12年(1699年)、拝殿を再建し、享保10年(1725年)には本殿を改築した。近世は、附近にある大安寺、頓行寺の寺僧が祭祀を奉仕したと伝わる。

明治初年(1868年)までは春日神社と称していたが、明治14年(1881年)に現社号に復し、郷社に列し、明治43年(1910年)には神饌幣帛料供進社に指定された。

現在までに玉依姫命を配祀し、大山咋命菅原道真を合祀している。例祭は4月21日で、現在は4月第3土曜日、春季例祭。

本殿は三間社春日造で、間口2間、奥行2間。拝殿は入母屋造で、間口5間、奥行四間。粥占神事が伝わる。社前には神饌田が広がっており、その石碑が建っている。

なお、式内社「輕野神社」の論社は他に、町内岩倉に当社および式内同名神社がある。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、事業成功、五穀豊穣、安産
軽野神社 滋賀県愛知郡愛荘町蚊野
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