越前富士・日野山への信仰、式内・兄子神社とも、古代神楽
[住所]福井県越前市中平吹町93-15
[電話]0778-21-2335

日野神社(ひのじんじゃ)は、福井県越前市中平吹町にある神社。北陸本線の王子保駅の東約2.5キロ、日野川東岸。現在、宮司が不在で御朱印の対応はしていないという。

『延喜式神名帳』にある「兄子神社(越前国・丹生郡)」に比定される式内社(小論社)。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。標高795メートルの日野山西麓に鎮座し、御嶽山とも、日永嶽(雛が嶽)とも、越前富士とも称される日野山に対する山岳信仰が起源。

当社の御神体山である日野山は、白山、越知山、文殊山、蔵王山とともに越前五山の一つ。岐阜県の奥美濃山地から続く山塊の西端にあたる。

日野山山頂に奥宮があり、境内には日野山に登る登山道がある。日野山を背にしているので、境内入口は西向きになっている。

伝承によれば、第26代継体天皇が即位前、二人の御子である後の第27代安閑天皇と第28代宣化天皇を伴って登山した。

そこで、朝日を拝し、その鮮やかなことに感じ入り、「此処こそ朝日を拝すべき山である」と述べたとされる。

『日本紀略』延喜10年(910年)9月の条に「授ク 越前国日野名神ニ従五位下ヲ」と記されており、国史見在社である。

長徳2年(996年)に、越前守として武生の国府に赴任した父藤原為時に伴われて来た紫式部も日野山に関して、歌集に次の歌を載せる。
暦に初雪降ると書きつけたる日 目に近き日野岳という山の雪 いと深く見やらるれば ここにかく 日野の杉むら 埋む雪 小塩の松に 今日やまがへる
『越前名勝志』には、「頂上ニ三社。養老ノ項泰澄大師ノ開キ給フ。彫作観音、文殊、不動三社」とあり、昔は三社が祀られていた。

現在も御祭神は3柱で、継体天皇・安閑天皇・宣化天皇。ただし、天照皇大神火産灵命天児屋根命とする異説もある。どちらにしろ三神。

また、安閑天皇を祀り、兄子神社とする説や、大己貴命五世孫の和爾子命を祀って兄子神社とする説もあり、式内論社となっている。

式内社「兄子神社」の論社は他に、南条郡南越前町瀬戸の白山神社と、市内安戸町の式内同名神社がある。

日野山の登山口として古くから山岳信仰の霊場として栄え、越前松平家をはじめ、本保陣屋により庇護されてきた。

日野山大権現とも称された。例祭は4月25日。古代神楽が伝わり、「日野神社の古代神楽」として、市の無形民俗文化財に指定されている。

8月23日-25日には登山祭鎮火祭があり、「日野山まつり」、あるいは夏祭りとして定着している。

【ご利益】
リフレッシュ、身体壮健、厄災除け
日野神社 福井県越前市中平吹町
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