神武天皇に御贄献上の国神の裔が当地に居住して奉斎
鵜甘神社 福井県越前市入谷町33-7
[住所]福井県越前市入谷町33-7
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鵜甘神社(うかんじんじゃ)は、福井県越前市入谷町にある神社。北陸本線の武生駅の東約12キロ、県道201号線を東進。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「鵜甘神社(越前国・今立郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。社伝によれば、初代神武天皇が大和国吉野河の河尻に入った時、簗を作って魚を捕っていた翁がいた。

その翁が「私は国神で贄持の子であります」と言い、今後、天神の御子が召し上がる御贄を奉るとし、生き生きとした香魚(鮎)を献上した。

神武天皇は大いに喜び永く膳部(かしわべ)として仕えるように命じた。『古事記』にも「贄持之子」が記載されている。

この翁が鵜養部の始祖で、その子孫が、清らかな水を求めて、鵜養部を率いて住みついた地が入谷の当地であるといい、鵜養部が、祖神を祀ったのが当社の起源とされる。

御祭神は贄持命。当社前には日野川の支流鞍谷川が流れ、当地はその上流に位置するが、鵜飼を生業とする人が住んだ土地としては狭小で、水量も豊富ではないという。

例祭は10月2日。なお、式内社「鵜甘神社」の論社は他に、今立郡池田町越前市片屋町南条郡南越前町の当社および式内同名神社、越前市西樫尾町の荒樫神社の境内社がある。

木造四天王像三躯が伝わる。それぞれの像は一木で彫られ、両腕をはぎ付けてある。足下に踏んでいる邪鬼は像に比較してやや大きく造られている。

像は頭部がやや大きくゆったりとし、動きが少なく静かな感じをうける。脚下の線の太い彫り方の邪鬼など平安時代末期の製作になるものと思われる。市指定文化財。

【ご利益】
事業成功、産業振興、一族・子孫繁栄
鵜甘神社 福井県越前市入谷町
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