当地に居住した多気連が祖を奉斎、明治期の絵付きの算額
石部神社 福井県鯖江市磯部町26
[住所]福井県鯖江市磯部町26
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石部神社(いそべじんじゃ)は、福井県鯖江市磯部町にある神社。北陸本線の北鯖江駅の東約7キロほど、集落の奥。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「石部神社(越前国・今立郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。社伝によれば、古昔、当地に多気連の人々が居住し、その祖である吉日古命・吉日売命を氏神として祀ったのが起源だという。

『倭姫命世記』に、「倭姫命度坐時尓、阿佐加潟尓多気連等祖、宇加乃彦之子、吉比女、次吉彦二人参相支、爾時吉姫、地口御田、并麻園進」とある(該当箇所)。

やはり吉姫・吉彦の後裔である多気連が奉斎した神社として、滋賀県湖南市に吉姫神社がある。

往古、当社は社殿も広壮で強盛だったが、安土桃山時代の天正年間(1573年-1593年)、兵火にかかり衰退したという。貴船明神などとも呼ばれた。

以前は、磯部町27字島立山168番地に鎮座していたが、参拝の便が悪いという理由で、明治9年(1876年)、現在地に遷座した。例祭は9月19日。

縦37センチ、横119センチ、材質は桧材で、県内では数少ない絵付き算額が残る。明治10年(1877年)5月、磯部村の某氏によって奉納されたもの。

同時期に磯部村で和算を学んだ境口惣助による奉納ともされるが、不詳。現在は市の文化財に指定されている。下記が算額にある銘文。
今神社酒貮石氏子者被下男女共三百七人男女三人少
又男女三合少一人當何程問
答曰 男一人八合
術曰総数之内三八減割女数是三合相乗酒貮石
加入総人数以除是男一人八合當知

今是求魚小鯛海老総数合代金及六百四十小鯛
海老少二十小鯛一付五厘海老一付三厘海老
小鯛総代金問
答曰 八十六錢
術曰及数三厘相乗甲名及数五厘相乗甲加
乙名二十五厘相乗乙加丙名二十三厘相乗丁名
丙内丁減天名五厘三厘加内定一二段減地名地
以天除総代金得
社殿は拝殿と本殿が一体の拝殿・本殿同床の形式で、間口3間、奥行3間の流造。社殿の前に境内社が二社あり、合祀した山王神社と八幡神社とされる。

【ご利益】
地域安全、家内安全
石部神社 福井県鯖江市磯部町
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