往昔は藪波里と呼ばれた地、式内・荊波神社とも、社殿後方に大杉
八幡宮 富山県小矢部市臼谷6967
[住所]富山県小矢部市臼谷6967
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八幡宮(はちまんぐう)は、富山県小矢部市臼谷にある神社。城端線の東野尻駅の西約13キロ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「荊波神社(越中国・砺波郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。臼谷八幡宮とも。

創祀年代は不詳。臼谷の地は往昔、藪波里と称していたことが式内根拠となっているようだ。蟹谷郷の総社として崇敬された。

ただし『富山県神社誌』には、平安時代中期の創祀としており、暗に式内比定に懐疑的な姿勢を示している。

式内社「荊波神社」の論社は多く、他に、南砺市砺波市高岡市の式内同名神社、南砺市井波の八幡宮、谷の大森神社、桐木の神明宮、市内矢波の巖谷門神社がある。

当地から西へ向かい、金沢へ抜ける道は小原越と呼ばれ、北陸街道の脇道として、古代から栄えた道だという。

昭和3年(1928年)1月26日、小白山社・酒列磯前社・諏訪社を本殿に合祀し、昭和30年(1955年)8月27日に社殿を新築再建した。

平成17年(2005年)4月24日、不審火のため焼失したが、平成19年(2007年)9月には再建された。

御祭神は、誉田別命彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊日子刺肩別命伊邪那岐命少彦名命建御名方命。例祭は9月15日で秋季例大祭。

拝殿前の両脇に乳垂れ銀杏がある。また、社殿左後方、向かって右奥の斜面にスギの巨樹がある。樹高37メートル、目通り幹囲8.5メートル。縦に大きな亀裂がある。

全体的な樹勢は悪くなく、この傷により寿命を縮めることはなさそうではある。「臼谷の大杉」として、県の天然記念物に指定されている。

境内には、『万葉集』に掲載されている大伴家持の下記の歌の歌碑がある。この歌は、式内社「荊波神社」との関連が示唆されている。
薮波の 里に宿借り 春雨に 隠りつつむと 妹に告げつや
【ご利益】
厄災除け、事業成功、一族・子孫繁栄
八幡宮 富山県小矢部市臼谷
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