家持の太刀を奉斎、『万葉集』と謡曲「藤」、ヤマフジの巨樹
[住所]富山県氷見市下田子1429
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藤波神社(ふじなみじんじゃ)は、富山県氷見市下田子にある神社。田子浦藤波神社とも。氷見線の氷見駅の南約4.5キロ。御朱印の有無は不明。

奈良時代中期の天平18年(746年)、越中国守大伴家持に従ってきた橘正長が、家持から授けられた太刀を祀ったのが当社の起源だという。

御祭神は天照大神。家持は当社のフジを愛し、下記をはじめ、多くの歌を歌った。現在、本殿左後に、「大伴家持卿歌碑」がある。
巻19 4199
藤波の 影なす海の 底清み 沈く石も珠とそ わが見る
この歌碑は、本居宣長の曾孫である本居豊穎(もとおりとよかい)の筆になる万葉仮名で刻まれている。また、題字は巌谷修の筆による隷書。

また、室町時代、佐阿弥安清(さあみやすきよ)によって作られたといわれる、幻想的な謡曲「藤」の舞台にもなった。

今日、その見事さをしのばせるフジは、鳥居の真上にかかるものが最も古く、推定樹齢200年。目通し幹回り1.08メートル、根元周囲2.77メートル、樹高28メートルという大樹。

ヤマフジで、樹勢は昔に比べて衰えているが、毎年4月中旬から5月中頃、淡い紫色のヤマフジが咲き誇る。また、鳥居の両隣には後から育てた白藤が咲く。

市内では、式内社である磯部神社とともに、フジの名所として知られる。「藤波神社社叢」として、市の天然記念物に指定されている。

【ご利益】
リフレッシュ、開運招福
藤波神社 富山県氷見市下田子
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