蘇我氏ゆかりの地、北の加佐美山を信仰、社殿群が国の登録文化財
[住所]岐阜県各務原市蘇原古市場町5-1
[電話]058-383-8962

加佐美神社(かさみじんじゃ)は、岐阜県各務原市蘇原古市場町にある神社。高山本線の蘇原駅の北約2.5キロ。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「加佐美神社(美濃国・各務郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。各務原市内金幣五社の一社。

かつてこの地を、蘇我倉山田石川麻呂など蘇我氏が治めており、「蘇原」の地名は、蘇我氏の領有に由来するといわれている。

蘇我倉山田石川麻呂が亡くなった後、現在の蘇原に相当する曽原荘の人々が、蘇我倉山田石川麻呂を崇敬し、祭祀したのが始まりといわれている。

蘇我氏とつながりが深く、周辺には蘇我石川麻呂の墳墓(伝蘇我倉山田石川麻呂の墓)や、山田寺跡(山田寺塔心礎)がある。

御祭神は加佐美大神。一説に、当社の北にある加佐美山自体が信仰の対象であったという。加佐美大神は加佐美山を神格化したものとも。

現在地の東約1.3キロには、やはり式内社で、蘇我氏にもゆかりがあるとされる飛鳥田神社があり、当社との関連が指摘されている。

当社はまた、蘇我倉山田石川麻呂も祀る。平安時代前期の貞観6年(864年)、第56代清和天皇の命により、社殿が建立されたという。

『日本三代実録』によれば、同年8月15日に従五位上に進んでいる。延喜5年(905年)頃、各務郡曽原荘古市場にあり、八幡宮と呼ばれていたという。

現在も応神天皇を併せて祀る。また、延喜5年(908年)には笠見明神と称された。安土桃山時代の文禄3年(1593年)、八幡宮に25石の寄進があったと記録されている。

境内には阿弥陀堂、薬師堂があり、神仏習合の名残がある。現在の本殿は江戸時代前期の貞享4年(1687年)の建築である。

江戸時代中期の正徳5年(1715年)、社殿造営が行われた。現在の拝殿は延享3年(1746年)に建築されたもの。

この本殿と拝殿は、明治43年(1910年)に建築された幣殿とともに、国の登録有形文化財に登録されている。また、狛犬、獅子頭が市指定文化財になっている。

例祭は10月14日・15日。現在はこの日に近い日曜日に行われ、花御輿が繰り出される。以前はけんか神輿が奉納されたが、事故により中止されている。

境川を挟んで西側にある市林山は、橿森神社で祀られている市隼雄命の墳墓がある。また、当社の裏山にはかつて八幡山城があった。

【ご利益】
厄災除け、一族・子孫繁栄
加佐美神社 岐阜県各務原市蘇原古市場町
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加佐美神社 岐阜県各務原市蘇原古市場町の御朱印