川邊総社、4月祭礼で江戸期以来のパントマイム「酒買い儀式」
[住所]岐阜県加茂郡川辺町中川辺字天神1-1
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太部古天神社(たべこてんじんじゃ)は、岐阜県加茂郡川辺町中川辺にある神社。飛騨川西岸、高山本線の中川辺駅の北東すぐ。美濃路と飛騨路を結ぶ要路に位置する。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「太部神社(美濃国・賀茂郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。もとは式内社名で呼ばれた。式内社「太部神社」の論社は他に、町内比久見の式内同名神社と、その旧地とされる田中神社がある。

太部古天神とも称した。後に菅原道真を合祀し、天神・天満宮と考えられるようになった。御祭神は、古天神・菅原道真・天照大御神

古くから川辺周辺、現在の川辺町の飛騨川西岸の地域にあたる、川邊村・石神村・鹿塩村・栃井村の総社(川邊総社)、産土神として信仰された。

江戸時代には領主である大島家から崇敬された。初代大島光政は慶長年間(1596年-1615年)に総社五社と呼ばれた当社の舞堂の碑を建立した。

また光政は、慶長14年(1609年)に一族の武運長久を祈願した。明治になり、村社に列し、現在までに中川辺、西栃井の産土神とされている。

例祭は4月第2日曜日。御祭神である天神の使者「沛王」が獅子を伴って近くの造り酒屋(白扇酒造)へ行き、酒を買い天神に捧げる神事が奉納される。

いわゆる「酒買い儀式」で、江戸時代以来の伝統で、現在は町指定無形民俗文化財。この儀式はすべて身振り手振りのパントマイムで行われるという特徴がある。

沛王は漢の高宗とも、漢の武人の別名とも伝えられているが、詳細は不明。沛王は、天狗の面に近いが鼻はあまり高くない面に注連縄状の帯を巻いた姿。

その姿は同じ川辺町内の阿夫志奈神社の例祭(阿夫志奈神社祭り)の蠅追男(猿田彦命を表しているという)に似ているとされる。

また、当社祭礼では、2両の山車が栃井神社から当社まで曳かれ、境内では獅子舞が奉納される。

拝殿は入母屋、桟瓦葺き、妻入り、間口5間。本殿は一間社流造、銅板葺き。境内社に、長野社・牛頭社・蛇毒社・白髭社がある。

【ご利益】
学業・受験合格、病気平癒、開運招福、交通安全
太部古天神社 岐阜県加茂郡川辺町中川辺
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