額田部氏ゆかりの生根薬、自然石21個の磐座「石神」が御神体
[住所]奈良県桜井市忍阪487
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忍坂坐生根神社(おしさかにますいくねじんじゃ)は、奈良県桜井市忍阪にある神社。近鉄大阪線の大和朝倉駅の南約1.5キロ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「忍坂坐生根神社(大和国・城上郡)」に比定される式内社(大社、月次新嘗)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。奈良時代の天平2年(730年)『大和国正税帳』に「生根神戸」とあり、それ以前には存在していた。

平安時代初期の大同元年(806年)『新抄格勅符抄』に「生根神一戸大和」、大同3年(808年)『大同類聚方』に、当社相伝の生根薬が記載されている。

『日本三代実録』では天安3年(859年)1月27日、忍坂生根神が従五位下より従五位上に進んだ。

「三輪流神道探秘抄」という古書に、「忍坂宮イクネ大明神、イズレモ三輪ノ大明神ノ御子神トイエリ」とあり三輪明神との深い関係がうかがえる。

江戸時代には単に生根神社と称し、磐座もあることから、移転することなく、この地で祭祀され続けたとされる。

かつては神宮寺として江戸時代前期の元禄2年(1689年)に建立された石井寺薬師堂があった。

御祭神は社名から生根神と考えられるが、詳細は不詳。現在は少彦名命のこととされている。また、額田部氏の祖である天津彦根命を併せて祀るとも。

当社に本殿はなく、拝殿の北側に「石神」と称する自然石21個を並べた磐座を御神体として祀る。

境内社として、天満神社(菅原道真)、神女神社(しんにょじんじゃ。大宮女命)、愛宕神社(火産霊神)がある。

境内道路側の石灯籠の右手に陽石のような自然石一基がある。また、境内右端に下記の万葉仮名で刻した万葉歌碑がある。
巻15 3331
こもりくの 泊瀬の山 青旗の 忍坂の山は 走り出の 宜しき山の 出で立ちの くはしき山ぞ あたらしき 山の 荒れまく惜しも
【ご利益】
病気平癒
忍坂坐生根神社 奈良県桜井市忍阪
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