国譲りで両神が「進み」出た地、10月例祭に伝統の神事華と神事舞
[住所]島根県出雲市湖陵町差海891
[電話]0853-43-1256

佐志武神社(さしむじんじゃ)は、島根県出雲市湖陵町差海にある神社。山陰本線の江南駅の北約3キロ。西には日本海、東には神西湖。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「佐志武神社(出雲国・神門郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。「差海」の地名由来となった。『出雲国風土記』には「佐志牟社」とある。御祭神は、建御雷神経津主神

社伝によると、国譲りの際に、建御雷神・経津主神の両神が当地から進み出たという。この「すすみ」が、「すすむ」「さしむ」に変化したという。

『神国島根』によれば、上古、出雲大社の西の杵築浦から、当社の南の田儀浦までを稲佐の浜と呼んだという。

長らく佐志武大明神と呼ばれたようで、江戸時代後期の文化3年(1806年)、社殿が造営された。明治になり、村社に列した。例祭は10月18日。

毎年10月18日・19日の両日に、勇壮な「神事華」と「神事舞」の奉納が氏子によって受継がれている。江戸時代からとも、室町時代からとも。

「神事華」は、細く切った青竹60-70本を傘の骨状に垂らし、色とりどりの折紙で作る華を飾り付けた、高さ5.5メートル、直径5メートルを超える花笠。

白はだこ(襦袢)を着こなした男衆が振る舞い酒で景気をつけ、花ひとつひとつに神が宿った神事華を担ぎ、当社までの道のりを木遣り唄を歌いながら練り歩く。

稲佐浜での国譲り神話を祭神である二神と一頭の獅子とで笛や太鼓の囃子に乗りながら舞う「神事舞」とともに当社に奉納される。市の無形文化財に指定されている。

クライマックスは19日に行われる「華倒し」。社殿の周りを引き回され、勢いよく倒された華を飾った青竹を家に持ち帰ると、一年家内安全と五穀豊饒とされる。

【ご利益】
無病息災、厄災除け、家内安全、五穀豊穣
佐志武神社 島根県出雲市湖陵町差海
【関連記事】
島根県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、島根県に鎮座している神社の一覧