巨勢地方の産土神で、巨勢氏の祖神、五郎神・五老神・五郎宮
[住所]奈良県高市郡明日香村越550
[電話]0744-54-2071 - 飛鳥坐神社

許世都比古命神社(こせつひこのみことじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村越にある神社。近鉄吉野線の飛鳥駅の西すぐ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「許世都比古命神社(大和国・高市郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。当社名の「許世」が鎮座地名の「越」になったとされる。許世都比古命を祀る。巨勢小柄宿禰のことで、巨勢氏の祖である。

武内宿禰の子であるが、第何子か諸説ある。『古事記』には、許勢小柄宿禰として、武内宿禰の子の二番目に表記されているため、第二子と考えられる。

『日本三代実録』貞観3年(861年)9月26日の条には、大内記従七位上味酒首文雄らの奏上文に下記のようにある。
先祖は武内宿禰大臣より出づ。大臣の第五男巨勢男韓宿禰は是れ巨勢朝臣の祖……
この後者の説が採用されたのか、当社は長い間、五郎神、五老神、五郎大明神、五郎宮とも称された。

ただ、あくまでも御祭神を武内宿禰の第二子として見る立場からは、当社の五郎は「御霊」からの転化であり、御霊信仰の影響による、とみる。

巨勢地方の産土神でもある。巨勢氏の一族が後世その本拠の巨勢郷から檜前方面に勢力を伸ばして、当地の越に新しくその祖神の御分霊を祀ったものとされる。

享和年間(1801年-1804年)、当地の有力者で、高取藩医の家柄である服部氏が、人首蛇身の造形を奉納、弁才天の御神体としたと伝える。現在、境内社に厳島神社がある。

境内には八つの灯篭が並び、それぞれに、大峯山大権現・春日大明神・八幡大菩薩・豊受太神宮・天照皇太神宮・三輪太神宮・多賀太神宮・富士大権現と記されている。

拝殿は無く、一段高いところに祠が鎮座している形。例祭は10月9日。なお、式内社「許世都比古命神社」の論社は他に、御所市古瀬の大倉姫神社がある。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、事業成功、地域安全、家内安全
許世都比古命神社 奈良県高市郡明日香村村越
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