奈良初期に筑前国夜須郡の社を奉遷、10月に夜通し石見神楽
[住所]島根県江津市二宮町神村1749
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夜須神社(やすじんじゃ)は、島根県江津市二宮町神村にある神社。山陰本線の都野津駅の南東約2.8キロ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「夜須神社(石見国・那賀郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

社伝や、『石見年表』『石見八重葎』によれば、奈良時代初期の養老3年(719年)9月9日、筑前国夜須郡の社を遷し、奉齋したという。

筑前国 夜須郡には式内社「於保奈牟智神社」がある。つまり、現在の福岡県朝倉郡筑前町弥永の大己貴神社である。大己貴神社が勧請元と考えられる。

拝殿にかかる幕や、本殿の屋根に、今でも二重亀甲花菱紋が見られる。石見国二宮である多鳩神社に近く、往時からその勢力下にあったと考えられている。

明治6年(1873年)、村社に列した。もとは安田山にあったが、明治44年(1911年)、八幡宮のあった現在地に遷座し、八幡宮を合祀した。

その際、現社号に復したという。御祭神は、大己貴命応神天皇多紀理比売命多岐都比売命狹依毘売命宗像三女神)。

御祭神の異説として、水穂真若王とするものがあるという。近つ淡海の安の直の祖で、父は日子坐王、母は息長水頼比売で、当地とは直接のつながりは見えないが。

大己貴命がもとからの御祭神だろう。応神天皇と宗像三女神は合祀した八幡宮の御祭神か。境内社に、若宮社と稲荷社がある。例祭は10月第4日曜日。

夜通しで石見神楽が奉納される。小山の頂上に鎮座するため、緩い坂道となっている参道には提灯がぶら下がり、闇夜をほのかに映し出す幻想的な光景が見られる。

【ご利益】
厄災除け、病気平癒、身体壮健、地域安全
夜須神社 島根県江津市二宮町神村
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