見初大明神と大梵天王七座神、江戸中期の獅子頭と中野獅子舞
[住所]三重県津市一身田中野691
[電話]-

大乃己所神社(おおのこそじんじゃ)は、三重県津市一身田中野にある神社。『延喜式神名帳』にある「大乃己所神社(伊勢国・奄芸郡)」に比定される式内社(小社)の論社。御朱印の有無は不明。

志登茂川の西岸、近鉄名古屋線の江戸橋駅の北西約1.1キロ。伊勢鉄道線の線路近くで、その西すぐには紀勢本線の線路も走る。

奈良時代末期の天応元年(781年)8月11日、鎮座と伝えられる。往昔より七社大明神と称えられ、見初大明神の神殿に八王子、稲荷、八幡、春日、神明、大梵天王七座神を奉祀して尊崇を得た。

往時は大梵天王社とも呼ばれ、隣接する慈眼寺が別当を務めた。慈眼寺は現在は無住で、堂宇と宝物は中野地区が管理している。その隣地には中野公民館がある。

神殿床下に獅子頭1口を収蔵し、閏年の前年2月節分よりこれを舞わし、戦前は稲生町の伊奈富神社の大祭に参加していた。

この獅子頭は見初大明神の御神体とされる。江戸時代中期の明和元年(1764年)の銘がある。現在も3年ごとの旧正月に舞われる。

氏子宅の軒先でお祓いをする「門舞(かどまい)」で始まり、最終日は「扇の舞」「花の舞」など7曲の曲を奉納する「舞込み」で、幕が閉じられる。

いわゆる「中野獅子舞」で、市の無形文化財に指定されている。当社は明治41年(1908年)、大古曽の大乃己所神社へ合祀されたが、昭和26年(1951年)、復社し現在に至る。

この大古曽の当社と同名の神社も、式内社「大乃己所神社」の論社の一つである。

主祭神は誉田別命足名椎命・手名椎命須佐之男命大山津見神を合祀、大日孁命豊宇気比売命天児屋根命を配祀する。

数え方にもよるが、7座ともいえ、往昔の大梵天王七座神を踏襲した御祭神の構成になっているといえるか。例祭は現在、10月9日・10日で秋季例祭。

【ご利益】
厄災除け、無病息災、家内安全
大乃己所神社 三重県津市一身田中野
【関連記事】
三重県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、三重県に鎮座している神社の一覧