鬼から奪った妻と三輪の明神の伝説、平成の世に拝殿新築
大乃己所神社 三重県津市一身田大古曽1739
[住所]三重県津市一身田大古曽1739
[電話]059-232-2202

大乃己所神社(おおのこそじんじゃ)は、三重県津市一身田大古曽にある神社。『延喜式神名帳』にある「大乃己所神社(伊勢国・奄芸郡)」に比定される式内社(小社)論社。御朱印の有無は不明。

紀勢本線の一身田駅の西約1.5キロ。中野バイパスと県道10号線の交差点の近く。北に大沢池など大きめの池あり。

創立年代は不詳。下記の理由から、『延喜式』後の天慶年間(938年-947年)以前の創立とする。式内社「大乃己所神社」の論社は他に、市内一身田中野に同名の神社がある。

平安時代、天慶5年(942年)、大神主大乃己所重久の記した縁起書に大物主神の鎮座のことが記されている。下記のような伝説が伝わる。

伊勢国奄芸郡の猟人が山に入って鬼を退治し、その鬼が捕えていた女を妻として、児を生んだ。ところが、母子ともに姿を隠して、行方不明となった。

その後猟人が大和国三輪社に詣でて再会を祈願した所、神殿たちまち開扉して母子ともに殿内にあり、猟人妻子みな化して神になった、という。

そこで、その神祭は奄芸郡の者が執行することになったという。三輪の明神すなわち大物主神を奉斎したのが当社の始まりとなる。

安土桃山時代、織田信長の「回禄の変」により、社殿などが焼失した。回禄の変は不詳。永禄8年(1565年)の永禄の変のことか。

明治41年(1908年)、須賀神社など11社を合祀。昭和初期には旧拝殿が完成した。昭和26年(1951年)、先の当社同様式内論社の中野の当社と同名神社など3社を復社させた。

平成19年(2007年)、現在の拝殿が新築された。主祭神は大物主神だが、大日孁命豊宇気毘売命品陀和気命を配祀する。

他に、天忍穂耳命底筒之男命中筒之男命上筒之男命、誉田別命、須佐之男命、国狭槌命、石凝姥命宇迦之御魂神を合祀する。

例祭は10月第1日曜日で、秋季大祭・慰霊祭。4月第1日曜日が春季大祭。12月第1日曜日には山の神大祭・新嘗祭が斎行される。

【ご利益】
五穀豊穣、産業振興、交通安全、商売繁盛(公式HP
大乃己所神社 三重県津市一身田大古曽
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