飛鳥朝に幣帛、源頼義が祈願、順徳上皇が参拝、7月上旬に神輿渡御
阿比多神社 新潟県上越市長浜904
[住所]新潟県上越市長浜904
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阿比多神社(あひたじんじゃ)は、新潟県上越市長浜にある神社。日本海にほど近く、日本海ひすいラインの谷浜駅の西約800メートル。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「阿比多神社(越後国・頸城郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創祀年代は不詳。飛鳥時代、第41代持統天皇8年(694年)3月、案下の幣帛を捧げられたと伝わる。

もとは後方の山である高志山の上に鎮座していたという。当社平安時代の永承5年(1050年)、陸奥守源頼義が奥州征伐のおりに戦勝を祈願した。

鎌倉時代の承久3年(1221年)、順徳上皇が佐渡へ流された際に当社に参拝。永仁5年(1297年)、大納言藤原為兼が佐渡へ左遷された際に和歌一首を神前に奉納した。

越後国一宮居多神社天津神社(奴奈川神社)の中間に位置するので、「あひた」という社号になったとする説がある。現在では、「あびたじんじゃ」とも。

戦国時代の天文年間(1532年-1555年)、兵火により焼失した。安土桃山時代の慶長4年(1599年)、春日山城主の堀秀治が神領として50石を寄進した。

江戸時代初期の慶長16年(1611年)、福島城主の松平忠輝が旧縁により神領を寄進。江戸時代前期の天和3年(1683年)閏5月、除地として3石5升4合の記録が残る。

江戸時代後期の天保年間(1831年-1845年)、火災で社殿・古文書が焼失した。明治6年(1873年)、村社に列し、大正8年(1919年)9月に郷社に昇格、同年11月、神饌幣帛料供進社に指定された。

少彦名命を御祭神としており、長濱天神と称された。現在は、相殿に菅原道真建御名方命迦具土命大山祇命大鷦鷯命を祀る。ただし、主祭神には異論も多い。

『神名帳考證』『越後野志』では大彦命、『北越風土記節解』では大己貴命・少彦名命、『阿比多神社略縁記』では、奴奈川姫命・少彦名命・建御名方命など。

例祭は4月25日と10月13日。春と秋の例祭で、ともに祭典後に神楽が奉納される。例祭と神楽の参拝者は毎年約50人ほどだという。

春の神楽では地域の幼稚園からも多くの子供達が見学に訪れる。また、毎年6月末には長浜海岸の海開きが行われ、7月第1日曜日には七夕祭りが斎行される。

七夕祭りでは専用の神輿が担ぎ出され、子供から大人まで約150人ほどの行列が、長浜を通る8号線沿いを賑やかに練り歩く。

当社社叢はヤブツバキの自然林。規模は小さいものの、県内では能生町白山神社、村上市の石船神社の社叢とともに、残された数少ないヤブツバキの自然林の一つだという。

境内社に、順徳院天皇社、頼義社、為兼社、秋葉神社などがある。なお、式内社「阿比多神社」の論社は他に、市内西本町の府中八幡宮、十日町市犬伏の松苧神社がある。

【ご利益】
身体壮健、病気平癒、学業・受験合格、厄災除け
阿比多神社 新潟県上越市長浜
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