源義家が八幡勧請、エノキのタブー、例祭で三条神楽奉納
小布勢神社 新潟県三条市上保内丙1288
[住所]新潟県三条市上保内丙1288
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小布勢神社(おふせじんじゃ)は、新潟県三条市上保内にある神社。信越本線の保内駅の南約1.2キロ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「小布勢神社(越後国・蒲原郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。周囲には前方後円墳、円墳などがあり、土師器や須恵器などが出土している。布施氏が祖神である大比古命を祀ったものと考えられている。

平安時代後期、源義家が奥州騒乱、いわゆる前九年合戦・後三年合戦の際、八幡神(誉田別命)の御分霊を勧請し、戦勝祈願した。

以来、八幡宮と呼ばれた。神仏習合し、別当寺として真楽寺が祭祀を司ってきた。もとは現在の1.5キロほど上流の山中、布施平に鎮座していたとされる。

安土桃山時代の天正2年(5174年)、神託があり、現在地に遷座した。現在も旧地には古い注連縄を奉納する風習が残されている。

当社の御神体が榎(エノキ)によって彫り込まれていることから、当地区では榎が神聖視されている。

榎の幹はもちろん、小枝さえも焚き火に利用することが硬く禁じられ、犯した場合は必ず悪いことが起きると伝えられている。

現在の拝殿は江戸時代後期の天保6年(1835年)に再建されたもので、木造平屋建て、入母屋、鉄板葺、平入、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝付。

向拝欄間に龍、木鼻には植物、獅子の彫刻が施され、弘化3年(1846年)に奉納された絵馬が掲げられている。

明治になり、仏式が廃された。本殿は明治4年(1871年)に再建されたもので、一間社流造。明治5年(1872年)、村社に列した。

現在までに、天照皇大神大山祇命建御名方命菅原道真朝臣を配祀する。例祭は4月15日と9月15日。古式を伝える三条神楽が奉納される。現在は県指定無形民俗文化財。

境内社に琴平神社(大物主命)がある。明治32年(1899年)建立の狛犬には「三條町石工若槻八十八刻」という銘がある。

なお、式内社「小布勢神社」の論社は他に、五泉市宮町の五泉八幡宮がある。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、武運長久・勝運
小布勢神社 新潟県三条市上保内
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