天表春命の墓、戸隠神社の元宮か、工匠の神、日本武尊の伝承
[住所]長野県下伊那郡阿智村智里
[電話]0265-43-3001

阿智神社(あちじんじゃ)は、長野県下伊那郡阿智村智里にある神社。前宮と奥宮からなる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東山道神 信濃国 伊那郡「阿智神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

前宮は、昼神温泉を一望する高台にあり、老松小杉の亭々と聳える神さびた神域の奥深くにある。

奥宮は、温泉街の中央を流れる阿智川に沿って2キロほど遡ると修験の山として知られる恵那山、そこより流れ出す本谷川と、清内路山より流れ下る黒川が合流する三角点。

社伝によれば、第8代孝元天皇5年春正月、天八意思兼命が御子神である天手力雄命と天表春神を従えて信濃国に天降り、鎮座したという。

天表春神は問題ないが、天手力男神は一般的に天八意思兼命の御子神とは考えられていない。ただし、当社は戸隠神社の元宮という説がある。

当社は吾道宮(あちのみや)とも称し、『信濃地名考』には、天八意思兼命の御子である手力雄命が吾道宮に鎮座した後、戸隠神社奥社へ遷座した、という。

また、天八意思兼命を御祭神とする戸隠神社中社や天表春命を御祭神とする戸隠神社宝光社は、当社から分祀されたものという説もあるという。

また、天表春命は帰化人である阿智祝(阿智使主)の祖と考えられ、出雲系の諏訪族に対する、天孫系の尖兵として当地に駐留したとも伝えられる。

奥宮の地は、天表春命の墳墓という説があり、磐座もある。また、現在に至るまで、天表春命は工匠の神としても崇敬されている。

社伝によれば、稲籾を10個並べて1寸とし、1寸を10並べて1尺とし、物の長さを計る単位を定め、曲尺を作り、曲尺の祖神だという。

鎮座地である「昼神」の地名は、「蒜噛」を好字に替えたものである。『日本書紀』景行天皇40年の条に、日本武尊が信濃の山中を通りかかった時のこと。

日本武尊は、そこで出会った白鹿となって現れた神に蒜(ひる)を投げつけて殺した。そのため、日本武尊は道に迷って難渋した。

しかし、白い犬に助けられ、美濃に出た。実際以前は、信濃坂を越える者は、神の気を受けて病になる者が多かったという。

日本武尊以降は、山を越えるものは蒜を噛んで、人や牛馬に塗ると神気にあたらなくなったという。

江戸時代には徳川幕府より朱印地10石の寄進を受けた。吾道大神宮(あちのおおかみのみや)とも称され、崇敬された。明治5年(1872年)11月、郷社に列した。

現在までに相殿に誉田別命建御名方命大山咋命を祀る。例祭は10月14日。新年祭が4月5日、大祓が12月26日。

奥宮は、鬱蒼として大木が茂る広い社叢の間に、春は岩つつじが可憐な花を見せ、秋は付近の山の紅葉が美しく流れに映え、四季を通じて景勝の誉れ高い地である。

なお、式内社「阿智神社」の論社は他に、村内駒場の安布知神社がある。

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阿智神社 長野県下伊那郡阿智村智里
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阿智神社 長野県下伊那郡阿智村智里の御朱印