香河の如意尼が開基した慈観寺の鎮守とも、平安中期の聖観世音菩薩立像
[住所]京都府与謝郡与謝野町石川慈観寺
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大命神社(おおめいじんじゃ)は、京都府与謝郡与謝野町石川にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

創祀年代は不詳。字慈観寺の地。もとは慈観寺の鎮守だったと伝えられている。御祭神は橘豊日命。つまり第31代用明天皇。

慈観寺は、善房寺(善法寺)などとともに、浦島太郎の一族といわれる如意尼と呼ばれた女性が開基したものとされる。

いわゆる香河の如意尼で、弘法大師空海と同時代のこと。一説に、空海に弟子入りしたとも、空海と恋仲だったとも。

当社の御神体は、神仏習合以来の平安時代中期の作、聖観世音菩薩立像を祀り、鎌倉時代後期の永仁6年(1298年)12月18日の銘が刻まれている。

願主教賢とあり、この時に修理されたもので、この時代のこの種のものが発見されることは稀で、府の文化財としても価値があるとされる。

像高28.8センチ、銅造鋳で、後背上方と下方膝裏のあたり、造り出しの凸起のあるところから懸仏ともされたが、近年の調査で凸起状の掛け具は光背のためのもの、とされた。

当社の近く、福寿寺の上田観音堂(うわだかんのんどう)には「上田の観音さん」と呼ばれて親しまれている木造聖観音菩薩坐像がある。

室町時代のもので、高さ95センチという、この時代のものとしては大型。この仏像もやはり如意尼に由来するもので、慈観寺ゆかりのある仏像ともされる。

明治6年(1873年)2月、当社は村社に列した。例祭は4月25日。物部神社稲崎神社大宮神社とともに石川四社の一つで、合同礼祭が行われる。

当社の芸能として「笹囃子」が奉納されるが、この「笹囃子」は鎌倉時代からあると伝えられ、府下でも有数の郷土芸能として広く紹介されている。

【ご利益】
平穏安寧
大命神社 京都府与謝郡与謝野町石川
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