今姫宮大明神と天女伝説、4人の垂仁妃、酒造・豊穣
矢田神社 京都府京丹後市峰山町矢田322
[住所]京都府京丹後市峰山町矢田322
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矢田神社(やたじんじゃ)は、京都府京丹後市峰山町矢田にある神社。京都丹後鉄道宮豊線の峰山駅の北約2キロ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「矢田神社(丹後国・丹波郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。『丹哥府志』によれば、今姫宮大明神と称し、『丹後国風土記』逸文のいわゆる「天女八人」の1人だという。

社名と地名の「矢田」について、『丹後国風土記』逸文に見える比治の天女との関連を考える説がある。

その天女が養父の家を追われたことにちなんで、「屋退」が「矢田」となったという。下記の歌が伝わり、歌そのものが御神体とも、御神歌とも。
あまの原 ふりさけ見れば かすみ立ち 家路まとひて 行衛しらすも
丹波道主命には日葉酢媛命真砥野媛弟比売命歌凝比売命という4人の娘がおり、当社神に仕え、その信心により、いずれも第11代垂仁天皇の后次妃となったともいう。

旧別当は西明院。御祭神は伊賀加色許命。伊迦賀色許男命か、伊迦賀色許売命かは不明だが、与謝郡の式内社である矢田部神社の系列と考えられたともされる。

伊賀加色許命は穂積氏、物部氏族矢田部氏の祖神である。また、熊野郡にも同名の式内社があり、その系列系と考えて、当社御祭神を武諸隅命ともする。

どちらにしろ、物部氏の色合いが強い。与謝郡には物部神社という式内社もある。

近世以来、明治まで、天酒大明神・豊宇賀能売命を御祭神とされた時期もあったという。五穀豊穣の神として崇敬された、とも。御祭神は不詳というところに収まるか。

また、酒造りの神として里人から尊敬されたとも。「矢田や丹波郷の天酒さまのお下通るもありがたや」の俚謡が伝わる。若宮、姫宮とも崇敬された。

なお、『日本書紀』第12代景行天皇の条や『豊後風土記』に碩田国直入県禰疑野に八田という土蜘蛛の話がある。

また、『常陸風土記』には「夜刀(やと)の神」が見られ、これはヘビだとされている。迫害を受けた一族を連想させる。なお、境内社に、大川神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、産業振興、一族・子孫繁栄
矢田神社 京都府京丹後市峰山町矢田
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