杵築大社の御分霊を奉斎、式内・垂水神社の論社を合祀とも
國司神社 島根県松江市西長江町512
[住所]島根県松江市西長江町512
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國司神社(くにしじんじゃ、国司神社)は、島根県松江市西長江町にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

宍道湖の北。畑電車北松江線の秋鹿町駅と長江駅の間、その北。西長江町公民館をさらに北進する。標高315メートルの経塚山(足日山)。

創祀年代は不詳。いつの頃か、近くの民が杵築大社の御分霊を受け、字國司に小祠を建てて祀ったのが起源だという。後に現在地へ遷座した。

最古の棟札には安土桃山時代の天正7年(1579年)10月10日、鰐尾城主長江村地頭大廻三郎右衛門清長が本願になり、国主大明神を再興したとある。

境内は200段近い階段を上る必要がある。さらに後ろの山は要害山とも呼ばれる経塚山。鰐尾城に属する古塁跡と伝えられる。

7畝ばかり平地で、第二段に馬乗馬場という場所がある。また、黄金岩という金鶏伝説の大岩もある。

御祭神は國常立尊大国主命稲田姫で、國司大明神などとも呼ばれた。明治5年(1872年)、村社に列し、明治41年(1908年)には神饌幣帛料供進社に指定された。

明治42年(1909年)4月23日、下記の近隣各社を合祀した。

・新宮神社(伊弉冊尊
・姫二所神社(秋鹿日女命)
・日御碕神社(天照大御神
・天森神社(天御中主尊

このうち新宮神社は先に垂水神社(罔象女命)を合祀していた。『延喜式神名帳』にある「垂水神社(出雲国・秋鹿郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

足日山(経塚山)の「タルヒ」と、垂水社の「タルミ」の音の類似が根拠だという。また、垂水の水は「氷」の誤りで、垂氷、すなわち「タルヒ」が本来の名称とも。

この式内社「垂水神社」は『出雲風土記』にも記載がある。他の論社に、佐太神社の境内社がある。

当社頭には明神鳥居があり、その前に出雲構え獅子が一対、その鳥居のすぐ後ろに別の出雲構え獅子一対がある。鳥居の扁額は小畑豊之助陸軍中将による揮毫。

長い石段を上ると随神門があるが、その前にも出雲構え獅子一対が安置され、随神門内にも彩色された神門狛犬がある。

入母屋造りの拝殿、大社造りの本殿があり、天保年間(1831年-1845年)と記された古い自然石の社日、大岩の上にも石祠と社日がある。

稲荷の小祠や境内社もある。境内社の前には、文化13年(1816年)9月建立の狛犬一対がある。

なお、当社の北方約100メートルに神宮寺があり、室町時代後期といわれる奈良の佛師、康秀法眼作の薬師如来の像などが安置してある。

【ご利益】
身体壮健、病気平癒、縁結び、五穀豊穣
國司神社 島根県松江市西長江町
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