『和名抄』記載の地、楽前庄5ヶ村の開拓神、大川大明神
佐久神社 兵庫県豊岡市日高町佐田68-2
[住所]兵庫県豊岡市日高町佐田68-2
[電話]0796-44-0292 - 神門神社

佐久神社(さくじんじゃ)は、兵庫県豊岡市日高町佐田にある神社。山陰本線の江原駅の西、宮山(楽前山)の中腹。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「佐久神社(但馬国・気多郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

国道482号線を西進し、静修小学校を過ぎ、県道259号線を南下。県道268号線を進みすぐ東進。楽前山の標高140メートルの地点。

創立年代は不詳だが、一説に初代神武天皇9年冬10月、両槻天物部命の子である佐久津彦命が佐久宮を奉斎したともされる。

当地は『和名類聚抄』にある「氣多郡樂前郷佐々乃久萬」の地と推定され、佐々乃久萬が、「佐久」と変化し、社名となったという。

楽前庄5ヶ村の開拓神と称され、中世には山上に楽前城があり、城主の垣屋隠岐守隆国らに崇敬された。

安土桃山時代の天正年間(1573年-1593年)、垣屋氏が滅亡、その後は衰微し、社家も退散して昔日の壮観はなくなった。

しかし、西気谷開拓の祖神として当地民から尊崇され、春秋二季の祭日には各村とも参拝する遺風は残った。

江戸時代中期の天保13年(1742年)、本殿が再建された。寛政11年(1799年)7月26日、神祇官領卜部良連の祝詞によれば、当社へ大川大明神に霊代を迎えたという。

以降、大川大明神・大川五社大明神と称したが、明治3年(1870年)、現社号に復し、明治6年(1873年)10月には郷社に列した。

明治41年(1908年)11月4日、山祇神社、八幡神社、荒木神社、須賀神社を合祀。明治43年(1910年)、幣殿・拝殿を新築、昭和4年(1929年)には本殿の屋根替が行われた。

御祭神は手力男神。『但馬神社探秘考』『神名帳考證』などには木花咲耶姫命を配祀するとも。息長帯比売命品陀和気命山祇命奧津彦命を合祀している。

例祭は10月5日。境内社に、境内の南端に稲荷神社がある。江戸時代に境内に勧請され、稲荷信仰の流行により、出石の稲荷とともに近在の人々の信仰を集めたという。

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佐久神社 兵庫県豊岡市日高町佐田
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