式内・笶原神社とも、ヘビ、境内に蛇頭松姫大神、ムクノキやケヤキ
[住所]京都府舞鶴市与保呂
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日尾池姫神社(ひおいけひめじんじゃ)は、京都府舞鶴市与保呂にある神社。舞鶴線・小浜線の東舞鶴駅の東南。県道51号線から487号線を東進。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「笶原神社(丹後国・加佐郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。単に日尾神社とも、池姫神社とも。『丹後風土記残欠』にも記載がある。御祭神は天日尾神・国日尾神・天月尾神・国月尾神。

『旧語集』には、「池姫神社 与保呂 木ノ下 常村ノ氏神」とある。『丹哥府志』には、「笶原神社は今池姫大明神を称す」とある。

当社は蛇切岩伝説で有名。もとは恐らくヘビ、倉部山(庫梯山・三国山)のヘビを祀った社だと考えられている。

本来の御祭神はヘビで、ここにいたヘビは蛇切岩に当って三つに切り裂かれた。その蛇の頭を当社に、胴を行永の堂田宮に、尾は大森神社(彌加宜神社)に祀った。

現在も当社の境内には蛇頭松姫大神が祀られている。大蛇に恋し、その恋が成就せず入水、自身が大蛇になった悲しい姫の話。

「おまつ」の祟りは強烈だったようで、現在に至るまで、当社を含む、上記大蛇を祀る神域には、松の木が生えないとされている。

例祭は11月3日。太鼓が出る。境内には舞台があり、4年に1度、大刀振りや囃子がある。御輿巡幸も4年に1度行われる。

上述の通り、当社境内には松はないが、ムクノキ、ケヤキ、モミなどの巨木が見られる。当社のすぐ手前、交差点内にもムクノキが立っている。

樹高22メートル、目通り幹囲5.8メートル。一部資料にはエノキと記載されているようだが、ムクノキが正しい。

入口の鳥居左にも御神木の大ケヤキがある。胸高囲は4.14メートル、樹高25メートル以上とされている。

二の鳥居に架かる額には「日尾池姫大明神」とあり、その手前には二対の狛犬が安置されている。

一対は江戸時代後期の天保11年(1840年)8月建立のもの。もう一対は大正10年(1921年)10月建立の出雲丹後狛犬。

境内社は先の蛇頭松姫大神の他、与保呂所稲荷があり、境内社脇にも小型の狛犬が安置されている。

当社の周囲は、市内でも有数の桜の名所。昔は与保呂水源地が桜名所だったが、古木で世話が行き届かなくなったのか、現在は河畔の桜並木が人気。

いわゆる与保呂川千本桜で、シーズンには与保呂川千本桜祭が開催され、様々なアトラクションが出る。

なお、式内社「笶原神社」の論社は他に、市内紺屋の式内同名神社、野原八幡町の天満宮(天満神社)がある。

【ご利益】
縁結び、恋愛成就、子宝・安産
日尾池姫神社 京都府舞鶴市与保呂
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