全長105メートルの旭滝の近く、もと高根神社、式内論社?
[住所]静岡県伊豆市大平1455-1
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大平神社(おおだいらじんじゃ)は、静岡県伊豆市大平にある神社。有名な旭滝という滝の近くに鎮座する。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。御祭神は、高皇産霊神(高御産巣日神)。宿三町内の産土神として御殿原に祀られていたが、寛永13年(1860年)、宇滝の前に遷座、高根神社と称した。

寛永13年であれば、江戸時代前期の1636年、1860年であれば、幕末の安政6年/万延元年。

明治6年(1873年)、同村安竹町内の明神大神、原町内の若宮大神、道足原地先の諏訪大神、八幡大神を、宇道足原地先に合祀し、上大平神社と称した。

・明神大神(神明大神。天照大御神)→伊勢の神宮
・若宮大神(仁徳天皇=大雀命)→大阪の高津宮
・諏訪大神(建御名方神)→長野県諏訪大社
・八幡大神(應神天皇=品陀和気命)→大分県宇佐神宮

明治30年(1897年)、上大平神社は火災のため焼失したが、御神体は難を逃れた。その後、大平区の統一とともに、神社の統合が叫ばれ、現在地への合祀が決定した。

大正元年(1912年)10月、許可を受け、大正2年(1913年)10月17日に遷宮、現社号に改称した。例祭は10月17日。社殿は本殿が流造、雨覆兼拝殿が入母屋造。

鳥居のすぐ後ろにある燈篭には文化12年(1815年)と彫られている。本殿前にある燈篭にも文化(1804年-1818年)とある。いずれも江戸時代後期のもの。

旭滝(あさひだき)は、落差105メートル、朝日の昇る時正面から光を受けて輝くのでこの名になったとされる。

溶岩が冷えて固まる過程で作られた、柱状の割れ目(柱状節理)の断面の上を滑るように流れている滝で、伊豆半島ジオパークのジオサイトに指定されている。

公園や遊歩道が整備され、滝の真横まで行くことができ、柱状節理を間近で観察できる。国道136号線からすぐだが、観光客はまばら。

一説に、『延喜式神名帳』にある式内小社「加理波夜須多祁比波預命神社(伊豆国・田方郡)」の夜須多祁は安竹で、大平の地にあるとする。

現在、大平の地にある神社と言えば、当社が該当する。あるいは安竹は合祀した明神大神のことか。ただし、当社や合祀神が式内論社とされるケースは皆無。

式内社「加理波夜須多祁比波預命神社」の論社は、伊東市宇佐美の比波預天神社、赤沢の三島神社、伊豆の国市の皇大神社がある。

【ご利益】
すべてのものを生み、活かし、育て、伸ばす
大平神社 静岡県伊豆市大平
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