播磨風土記の阿良佐加比売? 三代実録に荒坂浜、3月に麒麟獅子舞
[住所]鳥取県鳥取市福部町八重原328
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荒坂神社(あらさかじんじゃ)は、鳥取県鳥取市福部町八重原にある神社。山陰本線の福部駅の南、線路近くに鎮座する。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「荒坂神社(因幡国・法美郡)」に比定される式内社(小社)。創祀年代は不詳。

『播磨国風土記』に、播磨国の佐用(讃容)に関連して、因幡国の国造である「阿良佐加比売(あらさかひめ)」の娘の話が掲載され、当社との関連が指摘される。

『日本三代実録』貞観5年(863年)11月17日に「因幡国から新羅国人57人荒坂浜に来着」という記載がある。

江戸時代中期の寛政7年(1796年)の『因幡志』に記載されている。もとは矢谷村字山王前に鎮座し、荒坂山王と称し、北裏土居の氏神だった。

明治4年(1871年)3月25日、摂社荒神宮の旧社地だった現在地に遷座した。明治44年(1911年)、八重原神社を合祀した。

御祭神は、大己貴命少彦名命素戔嗚尊。例祭は3月26日で春祭。麒麟獅子舞(きりんししまい)が奉納される。

因幡東照宮(鳥取東照宮)で始まったものが伝わったもの。毎年3月26日に近い日曜日の前日、宵宮において20時から本舞が境内で行われる。

その後氏子宅全27軒を門舞いで回る。猩々1名、獅子2名、座方(笛、太鼓、鉦)1名ずつ。猩々と獅子の衣装は同じ赤色。

座方は緑色の衣装を纏う。現在は4名で猩々と獅子を交代しながら行う。平成20年(2008年)ごろから少子化により若者が少なくなり、獅子舞を開催できない年もある。

境内での本舞が15分に対して、氏子宅での門舞いは1軒あたり5分。小中学生がサカキを担ぎ、氏子宅を清めた後、門舞いとなる。

猩々が無表情のため、子供からは評判が悪いという。門舞で、新婚家庭を訪問すると、嫁・婿など新入りのものが顔を見せるまでは舞わない、など「からかい」がある。

当社の参道は線路を渡る。しばらく進むと、江戸時代後期の文化9年(1812年)と彫られた石鳥居がある。

鳥居の先には、「本社新築記念碑」があり、昭和12年(1937年)6月に起工、同年12月に正遷座式が行われた。

記念碑の先に石段があり、その途中に一対の狛犬。石段を登り切った両側に、大正13年(1924年)2月の石灯籠がある。

拝殿と流造の本殿。その拝殿の左奥手に装飾が施された境内社一宇がある。三宝荒神とも呼ばれた、もとの荒神宮か。

【ご利益】
厄災除け、無病息災、身体壮健、リフレッシュ
荒坂神社 鳥取県鳥取市福部町八重原
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