旧新井村の祭祀遺跡、近接する兵主神社、湧き水とスダジイの御神木
[住所]鳥取県岩美郡岩美町浦富686
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許野乃兵主神社(こののひょうすじんじゃ)は、鳥取県岩美郡岩美町浦富にある神社。山陰本線の岩美駅の西、岩美中学校の近く。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「許野乃兵主神社(因幡国・巨濃郡)」に比定される式内社(小社)。兵主神社の一つ。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。旧新井村(にいむら)で、銅鐸の出土や窯跡などがあり、社殿のある山裾平地は祭祀遺跡だと考えられている。

「許野」は巨濃(この)という郡名を表していると考えられる。巨濃郡の兵主神社の意味。巨濃郡にはさらに佐弥乃兵主神社がある。

当社とこの佐弥乃兵主神社は直線距離にしてわずかに1.2キロほど。兵主神社は式内社でも多いが、このように近接している例は全国的に稀。「佐弥」の意味は不明。

古来、鳥居を寄進すると不幸が起こる、あるいは倒壊すると言われ、今でも鳥居はない。近世までは「兵主大明神」と称していた。

明治初年(1868年)、現社号に改称して村社に列し、明治40年(1907年)2月3日、神饌幣帛料供進社に指定された。

御祭神は、大国主神素盞嗚尊。例祭は4月8日・9日で春季例大祭。中学校の裏山であり、境内に出るには、長い石段を上る必要がある。

途中に、湧き水の手水がある。また登り切った境内、拝殿の左手に手水舎があり、こちらも湧き水。簡素な拝殿だが、鈴の上に力神の彫刻がある。

本殿は入母屋造、平入、軒向拝。上部軒下の斗栱と下部廻縁下の腰組が目をひく。特に軒下は隙間なく埋まっている。

本殿右横には覆屋内に小さな流造の境内社がある。また、拝殿右横には、御神木のスダジイ。4本の株立ちだが、中央2本は朽ちている。目通り幹周は4.5メートルほど。

【ご利益】
身体壮健、厄災除け、縁結び
許野乃兵主神社 鳥取県岩美郡岩美町浦富
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