式内論社、山中鹿之助が祈願、『Free!』の聖地、美しい海と向島
[住所]鳥取県岩美郡岩美町浦富2541
[電話]0857-72-3481 - 岩美町観光協会

荒砂神社(あらすなじんじゃ)は、鳥取県岩美郡岩美町浦富にある神社。山陰本線の岩美駅の北西。県道155号線を北上して、海岸沿いの国道178号線を西進。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「大神社/太神社(因幡国・巨濃郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

飛鳥時代の白鳳期(661年-685年)の創祀と伝わる。もとは浦富元宮町の鈴見山に鎮座していたという。

平安時代前期の大同元年(806年)8月、蒲生川の氾濫により、社殿が流出したため、同年11月15日、現在地に鎮座した。

式内社「大神社」は、平安時代の貞観15年(873年)7月には正五位下に進んだ。他の論社に、太田の美取神社、岩井の御湯神社が合祀したもの、鳥取市の多居乃上神社がある。

戦国時代の元亀3年(1572年)、桐山城の山中鹿之助は因幡守護山名豊国を助け、鳥取城を攻略した際、当社に戦勝祈願したと伝わる。

江戸時代になると、「大神社荒砂大明神」と呼ばれた。現本殿は江戸時代後期の文化10年(1813年)の再建。

やや小さめのこの本殿は、左甚五郎の高弟である小倉円三郎が彫刻を施したものだという。五段の龍の見事な姿やその他の彫り物は評価が高い。

「浦富海水浴場」の近く、砂浜脇の岩場の上に鎮座する。境内に続く石段の両脇には石灯篭がずらっと並び、上りきると境内の裏から、美しい海を眺める。

御祭神は大物主神。因幡で大物主命を祀るのは当社と美取神社のみだという。例祭は4月第2日曜日で例大祭。鳥居の注連縄が新しく取替えられ、子供神輿などの渡御がある。

当社対岸の小島である向島に、恵美須神社(事代主神豊玉姫命など)が祀られており、現在に至るまで、漁師により篤く崇敬されている。

岩美町はアニメ『Free!』のロケ参考地となっており、当社も舞台になっていることから、聖地巡礼地としても人気が高い。

当社参拝後に、右側に歩いていくと、展望台につながる道がある。展望台からは向島の恵美須神社もよく見える。

また展望台からは、右手に浦富海岸や牧谷海水浴場、羽尾岬が望め、左手には小栗浜海水浴場、田後漁港が見渡せる。

岩美町観光協会のtwitterで2014年4月6日、当社裏の小屋で落書きが見つかったとの報告と写真が掲載され、多くの怒りのリツイート含め、話題となった。

【ご利益】
五穀豊穣、海上安全、大漁満足
荒砂神社 鳥取県岩美郡岩美町浦富
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