西ノ宮、10月例祭で屋台曳き回し、境内でも行事、式内論社とも
松尾八王子神社 静岡県磐田市前野町2090
[住所]静岡県磐田市前野町2090
[電話]-

松尾八王子神社(まつおはちおうじじんじゃ)は、静岡県磐田市前野町にある神社。東海道本線の豊田町駅の南、天竜川東岸。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「長野神社(遠江国・長下郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社、あるいは郷社に昇格した、とも。

創祀年代は不詳。当社の東方に東八王子神社があり、東八王子神社は正式には八王子神社のみ。当社に対応して「東」がつけられており、当社も時に西八王子神社と呼ばれる。

由緒もほとんど東八王子神社と同一。社殿は徳川家康の造営とも伝えられたが、幕末の安政元年(1855年)の震災により壊滅した。安政3年(1857年)、仮再建した。

安政3年の再建は拝殿のみで、本殿は明治8年(1875年)の再建(新築)とも。明治12年(1879年)8月、村社に列した。

当社の御祭神は、八王子神社が正哉吾勝々速日天之忍穗耳命天之穂日命天津日子根命活津日子根命熊野久須日命市寸島姫命多岐都姫命多紀理姫命

いわゆる宗像三女神を含む五男三女神である。また、松尾神社が大山咋命。八王子神社と松尾神社がどのような経緯で合併したのかは不明。

例祭は10月第2日曜日。屋台の曳き回しの他、境内では銭太鼓やお囃子の奉納、滑稽なヒョットコとオカメの踊りなどがある。

甘酒や、チクワとコンニャクのおでんの振る舞いがあり、餅まきも行われ、現在では地元の方々による地元活性の祭典となっている。

一部の資料では、大正12年(1923年)に郷社に列して、昭和8年(1933年)10月14日に神饌幣帛料供進社に指定された、とある。

境内には境内社一宇が祀られているが、社頭案内には複数の境内社が記載されている。一つの社殿の中に多くが祀られているのだろう。

・稲荷社(倉稲魂命
・若宮八幡社(大雀命
・津島社(素盞嗚命
・高根社(味鋤高根彦命
・神明社(天照大神
・諏訪社(建御名方命
・御鍬社(天照大神)
・天神社(菅原道真公)
・福神社(大国主命

このうち、天神社・稲荷社・若宮八幡社の三社は、東八王子神社境内にあったものを、大正12年に遷されたものだという。当社の昇格記念だろうか。

また、現在の社殿は昭和8年の再建とされる。境内社の遷座と社殿再建は、奇しくも指定郷社の記念事業とも考えられる。

ただし、東八王子神社が地元では「郷社」と呼ばれるのに対して、当社は「西ノ宮」と呼ばれているらしく、東八王子神社の方が格式は上、と考えられている節はある。

なお、平成になり、社殿の老朽化とともに再度再建工事が始まり、竣工したようだ。

式内社「長野神社」の論社は他に、先の東八王子神社と、浜松市浜北区の永島の式内同名神社、浜松市浜北区高畑の八雲神社がある。

【ご利益】
地域安全、家内安全、厄災除け
松尾八王子神社 静岡県磐田市前野町
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