奈良期に摂津住吉を勧請した津守社か、四十六所大明神、古い屋台
[住所]静岡県浜松市南区参野町113
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津毛利神社(つもりじんじゃ)は、静岡県浜松市南区参野町にある神社。JR浜松駅の南東、大浜通りの参野町交差点の南すぐ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「津毛利神社(遠江国・敷智郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

第44代元正天皇の御代、奈良時代の養老2年(718年)、舎人親王、藤原不比等が勅を奉じ、遠江灘の鎮守として摂津の住吉大社より荒魂を勧請して奉祀したのが起源。

社名は「津守」の意とも。創建当時は、鳥居前まで波が打ち寄せていたという。西舞阪より東掛塚に至る46ヶ村の総鎮守として崇敬され、四十六所大明神とも奉唱された。

当社の北にNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』ゆかりの地として知られる頭陀寺城跡・松下屋敷跡がある。

この頭陀寺は飛鳥時代に建立された古寺で、戦国時代は、今川氏の保護を受けて繁栄。当地域では、頭陀寺と当社が地域の中核として機能していたという。

社領は古来、領主などの寄進を受けてきたが、豊臣秀吉から80石の寄進を受け、徳川の世になっても80石の朱印を受けて明治に及んだ。

明治6年(1873年)、四十六所神社と称して郷社に列し、明治11年(1878年)に現社号に改称した。明治41年(1908年)1月12日、神饌幣帛料供進社に指定された。

御祭神は、底筒男之命中筒男之命上筒男之命住吉三神。昭和12年(1937年)発行の『静岡懸神社要覧』では底津綿津見神中津綿津見神上津綿津見神も記載されていた。

現在の氏子区域は、参ノ町・芳川町・本郷町・本郷東。例祭は10月10日、現在は10月第2日曜日。明治5年(1872年)の建造で、市内でも最古クラスの屋台の引き回しがある。

社号標には「郷社式内 津毛利神社」とある。本殿前には江戸時代前期の元禄15年(1702年)建立の狛犬が安置されている。

明神鳥居は幕末の弘化4年(1847年)建立。随身門があり、それをくぐると拝殿。その前には江戸時代中期の寛政年間(1789年-1800年)に奉納された燈籠がある。

境内社に、須賀神社・息太夫神社・金山神社・八幡神社・日枝神社・天神社・愛宕神社・廣田神社・伊勢大神宮・伊雑宮神社・諏訪神社・御手洗水神社がある。

なお、式内社「津毛利神社」の論社は他に、市内西区馬郡町の春日神社がある。

【ご利益】
会場・交通安全、厄災除け
津毛利神社 静岡県浜松市南区参野町
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