源融が勧請、もとは円通寺の地に鎮座、室町末期の本殿
神野神社 兵庫県丹波市氷上町御油40-2
[住所]兵庫県丹波市氷上町御油40-2
[電話]-

神野神社(かんのじんじゃ)は、兵庫県丹波市氷上町御油にある神社。『延喜式神名帳』にある「神野神社(丹波国・氷上郡)」に比定される式内社(小社)の論社。御朱印の有無は不明。

福知山線の石生駅の北、春日和田山道路を北上し、氷上沼郵便局の近くを西に入る。北御油公民館の近く。

平安時代前期の寛平年間(889年-898年)、勧請され、創建されたと伝えられる。当初は現在の円通寺がある山中に鎮座した。

創建と勧請は、当時山田村に滞在した左大臣源融によるものとされ、父の嵯峨天皇と賀茂別雷命を奉斎したという。

賀茂大明神と称され、その時の賀詞の一節からこの地が「御油」と命名されたと伝わる。地域の総社として地域の人々に信仰された。

現社号も賀茂神社からの転訛ともされる。当地は、伊可古夜媛(伊賀古夜比売命)が但馬、丹後を含む古代の丹波を治めた地とも伝わる。

伊賀古夜比売命は賀茂御祖神社(下鴨神社)の御祭神である賀茂建角身命と結ばれる。賀茂別雷神社(上賀茂神社)の御祭神でもある賀茂別雷命は二人の孫に当たる。

室町時代の応永31年(1424年)、円通寺が開かれ、境内が整備されると、当社は現在地に遷座した。また、北田井にも分祀され、現在の賀茂神社である。

ただ、この北田井の分祀は市内市島町梶原の鴨神社のこととされ、この鴨神社も式内社「神野神社」の論社である。

この当社の遷座の際、当社の外宮で南御油に鎮座していた貴船神社(高龗神)も現在地に遷座した。ただし、貴船神社は現在も南御油にある。

当社の御祭神は、別雷命。嵯峨天皇を配祀する。例祭は10月9日。

現在の当社の本殿は室町時代末期に建てられたと推定されるもので、一間社、流造、こけら葺、工法や組物、意匠など当時の神社本殿建築の特徴が見られる。

簡素な社殿で、正面は格子戸4枚を建て、その他は板壁。県下における一間社の遺例として貴重なもの。県指定文化財に指定されている。

境内にある檜(ヒノキ)は推定樹齢約500年、樹高41メートル、幹周2.86メートル。「神野神社のヒノキ」として、市指定天然記念物。

また、桑田郡にも同名の式内社があり、京都府亀岡市宮前町の宮川神社に比定されている。

【ご利益】
地域安全、家内安全、厄災除け、事業成功
神野神社 兵庫県丹波市氷上町御油
【関連記事】
兵庫県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、兵庫県に鎮座している神社の一覧