もとは天神社とも、社名が地名に転訛、4月に神事エッサカエットウ
多由比神社 福井県三方上中郡若狭町田井93-2
[住所]福井県三方上中郡若狭町田井93-2
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多由比神社(たゆひじんじゃ)は、福井県三方上中郡若狭町田井にある神社。三方湖の西南岸、国道162号線から梅の里小学校を目指す。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 北陸道神 若狭国 三方郡「多由比神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代や由緒は不明。御祭神は誉田別命。ただし、以前は天神社とも呼ばれており、現在も菅原道真と、天照大神を配祀する。

ただ、これらがもともとの御祭神とは考えづらく、不詳。『若狭國神名帳』には、手結(田結・田井)と記されている。

鎮座地の田井は、当社名「たゆひ」が転訛したもの。現在までに大髭大神・白髭大神・若宮大神・倉稲魂大神大山祇命・神明大神・素盞嗚尊蛭子尊大己貴命を合祀する。

例祭は4月18日。王の舞・獅子舞・田楽などが行われ、いわゆる若狭の王の舞群の一つ。ただし、当社の特徴は「エッサカエットウ」という神事が行われること。

全国でも珍しい中世芸能の一つで、みこりかき役の少女の家で、七合の粳(うるち)米を蒸したゴクを作り、神饌の準備を整える。

潮水撒きを先頭に、辻御幣・大榊(おおさかき)その他の諸役が徒歩で当社に向かい、参拝を済ませ、行列を組み替えて松の浜と呼ばれる御旅所へ向かう。

祝詞奏上の後、御幣振り・王の舞・獅子舞・田楽踊(べんざさら)・エッサカエット(細男の舞)・浦安の舞などが繰り広げられた後、当社に戻る。

さらに、境内の広場で浦安の舞が奉納され、神輿渡御で例祭が終わる。神事の当座は、伊良積・世久津・田立・河内・田井野・成出の各氏子集落が順番に勤める。

伊良積の当番の際は、舟(祭礼舟)で三方湖を渡って当社に向かう。いわゆる「村立ち」。これらは、「多由比神社の例祭神事」として県指定無形民俗文化財。

当社の社叢は、モミノキ、スギ、シイなどの背の高い樹木で構成されており、特にモミノキとスギが目立つ。

また、本殿に上る階段を守る2本のスギがある。さらに、大きい木に目が行きがちだが、立派なサルスベリの木もある。

【ご利益】
厄災除け、学業・受験合格、開運招福、五穀豊穣
多由比神社 福井県三方上中郡若狭町田井
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