背後に継体天皇の父の彦主人王陵、正一位牛頭天王社
[住所]滋賀県高島市安曇川町田中1882-1
[電話]0740-32-1594

田中神社(たなかじんじゃ)は、滋賀県高島市安曇川町田中にある神社。近代社格では郷社。湖西線の安曇川駅の西。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創祀年代は不詳。一説に、奈良時代の天平3年(731年)、僧良弁が松蓋寺を建立する際、鎮守の神として奉祀し、天長年間(824年-834年)、当地に遷座して氏神になったとも。

江戸時代前期の明暦年間(1655年-1658年)の縁起によれば、第56代清和天皇の御代、平安時代前期の貞観年間(859年-877年)の創祀とある。

国衙領であった郷の領域化が完成した平安時代末期には郷鎮守社の地位を得、後に太山寺を当社の別当寺として佐々木・田中氏の信仰に支えられたと伝えられる。

当社の背後には彦主人王陵がある。田中神社古墳群の一つで、いわゆる安曇陵墓参考地(あどりょうぼさんこうち)である。

彦主人王(ひこうしのおう/ひこうしのおおきみ)は、第15代応神天皇の四世孫で、第26代継体天皇の父である。

もとは、この古墳の祭祀と関連していた可能性もある。ともかく、社伝によれば、田中郷の総産土神で、往昔、若林牛頭天皇社また祇園牛頭天王社と称した。

江戸時代中期の享保7年(1722年)、宗源宣旨により正一位の神階を授けられ、以来、正一位牛頭天王社と称した。

明治2年(1869年)、現社号に改称した。昭和20年(1945年)、郷社に昇格した。御祭神は、建速素盞鳴尊奇稲田姫命・八柱御子神。神紋は五瓜に唐花。

例祭は5月1日。神職は、伊藤家が代々世襲する。神事は佐々木高綱奉納の流鏑馬、田中惟氏の献じた衣裳張傘鉾を今に伝えている。

5月4日に流鏑馬の神事や、艶やかな笠鉾が参道を一巡し、一大絵巻を繰り広げる「田中祭り」が行われる。鉦や太鼓の音も賑やかに、氏子が参道を練り歩く。

境内社に、若宮八幡宮、天満神社、手力雄神社、国常立神社、天邇伎志神社・武八幡神社合殿、日吉神社、蛭児神社、安田神社 (三尾神社・佐賀神社合殿)がある。

この三尾神社は大津市園城寺町の同名神社との関わりが指摘されている。三尾神社は、継体天皇ゆかりの水尾神社、彦主人王ゆかりの三重生神社ともつながる。

また、この地の湖岸には船木という地名がある。伊勢の船木氏の祖神が手力雄神で、当社の境内社である手力雄神社との関わりが指摘されている。

宝篋印塔など鎌倉時代の石造品が6基あり、市指定文化財。また、境内社ではないが、参道の途中に、式内論社の佐田神社がある。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、夫婦和合、家内安全
田中神社 滋賀県高島市安曇川町田中
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