能登臣の祖を祀る、もとは八幡、4月15日に王の舞と獅子舞
[住所]福井県三方上中郡若狭町能登野19-3-1
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能登神社(のとじんじゃ)は、福井県三方上中郡若狭町能登野にある神社。小浜線の十村駅の東、国道27号線の丹後街道の東側。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 北陸道神 若狭国 三方郡「能登神社」に比定される式内社(小社)。新日吉社領倉見荘の鎮守で、近代社格では村社。

創祀年代は不詳。御祭神は大入杵命。第10代崇神天皇の皇子で、能登臣の祖。近くの彌美神社の御祭神は室毘古王で、従兄弟の関係にあたる。

また、闇見神社の御祭神は、室毘古王の母である大闇見戸売。関連深い神々だが、大入杵命は能登臣の祖で、当社名も現在の石川県を連想させる。

一族はこの周辺が根拠地で、大入杵命は当地から能登国に拡張していった一派、ということか。なお、社地前を流れるのは八幡川で、それにかかるのが八幡橋。

以前は八幡宮と呼ばれ、現在も誉田別命(応神天皇)を配祀する。他に、明治期に合祀した大山祇命大鷦鷯命・加茂大神・大山咋命を祀る。

江戸時代後期の弘化年間(1844年-1848年)、焼失した。明治2年(1869年)、村社に列したが、なぜか無格社に戻され、大正14年(1925年)2月6日、再び村社に列した。

例祭は9月15日、4月15日。4月15日には王の舞がある。いわゆる若狭の王の舞群の一つ。子供による王の舞と青年による獅子舞からなる。

氏子集落の能登野、横渡がそれぞれ交代で務める。当日、それぞれの当家(集落センター)の前で王の舞、獅子舞を舞う。

その後、行列を組んで、締太鼓を打ちながら当社に向かう。途中で締太鼓を激しく打ちながら、上下に振り回しながらの行列となる。

そして、両区の行列が落ち合う参道入口と、境内でも祭典後に王の舞、獅子舞が舞われる。

王の舞は12歳くらいまでの男子が、頭には色髪を髪の毛のように長く垂らした独特の鳥甲をつけ、狩衣と括袴の下に女物の振袖、女物の帯をつけた独特の姿で舞う。

社殿は独特な形状で、雪避けのためだろうか、周囲に広がるスカート状。拝殿前に明治31年(1898年)8月建立の出雲丹後狛犬がある。

【ご利益】
一族・子孫繁栄、地域安全、家内安全、厄災除け
能登神社 福井県三方上中郡若狭町能登野
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