久須夜ヶ岳に対する信仰、神が降臨した猿岩と烏帽子の森、社叢
久須夜神社 福井県小浜市堅海字宮ノ元10-4
[住所]福井県小浜市堅海10-4
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久須夜神社(くすやじんじゃ)は、福井県小浜市堅海にある神社。内外海半島、標高619メートルの久須夜ヶ岳の南に位置する。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 北陸道神 若狭国 遠敷郡「久須夜神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。社伝によれば、飛鳥時代の大化元年(646年)の創建だという。御祭神は大己貴命、またの名を大國主命。

久須夜ヶ岳に対する信仰と関連しているとされる。久須夜ヶ岳は、「奇霊谷(くすや)」、つまり奇麗の現象があって、人々が畏れた山だという。

『内外海誌』などによれば、山中に御祭神が鎮座した大岩があり、大神岩とも、地元では猿岩とも呼ばれ、人々に恐れられた。

また常に憩いしたことから名づけられた御腰掛岩があり、一帯を烏帽子の森と称し、今もなお、堅く不浄を禁じているという。

つまり、もとは久須夜ヶ岳の山中に鎮座したようで、久須夜岳の名称そのものも当社名にちなむ。

平安時代前期の斉衡年間(854年-857年)、現在地に社殿を建て、遷座した。鎌倉時代には若狭国鎮守大明神十社の一つに列して、崇敬された。

鎌倉時代中期の文永2年(1265年)の記録には「久須夜宮」とある。また、別当は応安2年(1269年)に創建された長慶院が務めた。

江戸時代前期の寛永17年(1640年)、近江八景に続く全国的に古いものとされる若狭八景の記録がある。

それにやや遅れて元禄年間(1688年-1704年)の末年、雲浜八景が発表され、その中の一つに「久須の夜雨」が出てくる。

現在、例祭は6月11日。境内社に八幡神社・小玉神社・天満神社・山の神神社などがある。

境内には、岩や燈籠によって祀られた場所があり、出雲大社伊勢の神宮の遥拝所となっている。

長い参道の両側には、スギが植栽されているが、その中には、ケヤキ、ムクロジ、イヌマキなどが混生している。

境内社を配する本殿右側の山麓は、スダジイ、ヤブツバキ、カナワラビの群落で、シイの巨木と、カナワラビが調和している。

古代祭祀遺跡を連想させる本殿背後はヤブツバキ、タブノキの群落で、下記の構成になっている。

・第一層(高木層):タブノキ、スダジイ、ケヤキ
・第二層(亜高木層):ヤブツバキ、ケヤキ、シカラシ、ウラジロガシ
・第三層(低木層):ヤブツバキ、イヌマキ、タブノキ、アオキ
・林床:カナワラビ、リョウメンシダ、アオキなど

特に当社叢中に散見されるイヌマキは、日本の植物分布上の北東限にあたっている。当社叢は、市の天然記念物に指定されている。

【ご利益】
リフレッシュ、厄災除け、身体壮健
久須夜神社 福井県小浜市堅海字宮ノ元
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