北西に若狭富士を仰ぐ、飯豊青皇女の創祀とも、柴の実入れ
[住所]福井県大飯郡高浜町青15-1
[電話]0770-72-0564

青海神社(あおうみじんじゃ)は、福井県大飯郡高浜町青にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 北陸道神 若狭国 大飯郡「青海神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

小浜線の三松駅の西。関屋川の南岸、県道21号線の東。国道27号線の丹後街道沿いに境内入口がある。

現在は当社名を音読して「せいかいさん」とも、また、俗称として「大森さん」ともいう。創祀年代は不詳。

一説に、当地とゆかりの深い、第17代履中天皇の皇女、あるいは孫ともされる青海皇女(飯豊青皇女)が奉斎したとも。本殿後方の窪池は、飯豊青皇女の禊池と伝えている。

当社の北西には若狭富士と呼ばれる青葉山が聳えている。飯豊青皇女も青葉山を仰ぎつつこの池で潔斎をしたとされる。

『若狭国神階帳』に「正五位 青海明神」とある。御祭神は椎根津彦命。初代神武天皇の東遷で使えた導きの神で、青海首の祖神である。

もとは青と横津海の境あたり、現在の青郷駅付近に鎮座したが、洪水により現在地に遷座したとも伝えられている。

当地の「青」は、青里、青郷とも記され、飯豊青皇女の「青」とも関連しているとされ、朝廷に大贄を貢進した地で、屯倉だったと考えられている。

古代の青郷は現在の地域よりもはるかに広く、現在の青郷はもとより、高浜町の内浦地区、京都舞鶴市の大浦地区をも含み、当社は若狭丹後国にわたるこの地域の総鎮守の宮。

御祭神に関しては、大綿津見神・飯豊青皇女との説もある。ともかく、江戸時代後期の寛政7年(1795年)9月に神階は従一位に進んだ。

明治43年(1910年)、横津海にあった無格社八幡神社(応神天皇神功皇后・比咩大神)と稲荷神社(倉稲魂命)を合祀した。

明治44年(1911年)5月、村社に列し、大正13年(1924年)8月5日には郷社に昇格、その月の26日には神饌幣帛料供進社に指定された。

例祭は10月17日。2月11日には柴の曳入神事がある。柴の実入れ(シバノミイレ)神事とも。年頭の豊作祈願の神事。

改暦以前は旧暦1月3日に行われていた。この神事には、旧青郷村の青・日置・関屋・横津海・出合の五集落が参加して行われる。

修祓・開扉・献餞・祝詞奏上などの順に式次第にしたがい厳粛に行われる。その後、シバカンヌシが拝殿中央に進み出て、「柴の実入れ」の宣詞を奉読する。

宣詞を三段落に分けて読み上げるたびに、7名の実入れ役のシバタタキが喚声をあげて襲いかかり、シバでシバカンヌシの背中を思いっきり叩く。

よく叩けば叩くほど、荒天になっても稲の実入りが良く豊作になると伝えられている。シバは各戸に2本ずつ配布し、御幣をつけて床の間に飾っておく。

稲束に見立てたシバの儀礼は丹波のハナフリに酷似しており、予祝儀礼の伝播の事例としても重要な民俗として位置付けられる。県の無形民俗文化財。

他に、12月3日が新嘗祭で、7月1日が夏越祭で池替神事。飯豊青皇女ゆかりの禊池を御祓を受けた禰宜が清掃する。

境内社に廣嶺神社・秋葉神社・八幡神社がある。さらに別に、昭和50年(1975年)、上津地区から移転された八幡神社と仮本殿(遷座所)がある。

境内のケヤキは樹高28メートル、幹回り3.2メートルで、町の天然記念物。当社には都合三対の狛犬がある。

【ご利益】
海上安全、大漁満足、産業振興
青海神社 福井県大飯郡高浜町青
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