論社多数も神名帳特記通りの柿ノ本の地、江戸前期本殿
飛鳥田神社 京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町11
[住所]京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町11
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飛鳥田神社(あすかだじんじゃ/あすかたじんじゃ)は、京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町にある神社。県道13号線沿い、県道79号線との外環横大路交差点を南西方向。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 紀伊郡「飛鳥田神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。一説に、第36代孝徳天皇の御代、飛鳥時代の白雉4年(653年)の創建とも。御祭神は別雷神。

式内社「飛鳥田神社」は、『日本略記』に「飛鳥田神」とある。『延喜式』神名帳に「一名柿本社」と特記され、『神名帳頭注』に「横大路村に在り」とある。

式内社「飛鳥田神社」の論社は多数にのぼるが、当社の場合、社名のみならず、「柿本」「横大路」の地名まで一致する唯一の例。

そのため、明治になり、村社に列し、明治10年(1877年)6月には府から式内社として認定された。

『山城志』によれば、室町時代の応永25年(1418年)に社殿造営、文明9年(1477年)に修理が行われた。

また、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて、天正4年(1576年)に修理が、文禄5年(1596年)に屋根葺き替えが、慶長19年(1614年)に社殿の修理が行われた。

正面の鳥居に「嶋潟弁才天 慶安5年(1652年)」、手水槽に「嶋潟弁才天 明暦3年(1657年)の刻銘があり、江戸時代前期までに市杵島姫命を合祀したようだ。

覆屋の中に建つ本殿は大型の一間社流造の建物で、建築年代に関する史料はないが、全体に木割が太くて装飾が少なく、饕股や実肘木・虹梁の形状に特徴がある。

おそらく、境内整備が進んだ江戸時代前期までの頃のものが基盤にあるようだ。その後改変を受けているものの、当所の姿を著しくは損なっていない。

柱頭に舟肘木を落としこんで柱が直接桁を支持するという特異な手法が採用されている。市登録有形文化財である。

例祭は10月第3日曜日で秋季例祭。4月20日が春季大祭。横大路中ノ庄町に御旅所がある。その御旅所には五輪卒塔婆と五輪塔がある。

これらはいずれも鎌倉時代中期のもの。五輪卒塔婆には文永11年(1274年)の銘がある、古く貴重なものである。

なお、式内社「飛鳥田神社」の論社は他に、伏見稲荷大社に合祀されたもの、下鳥羽城ノ越町の当社および式内同名神社、横大路天王後町東山区本町の田中神社がある。

また、美濃国各務郡にも同名の式内社がある。岐阜県各務原市の当社と同名神社に比定されている。創建は当社とほぼ同一で、各務原市の方は蘇我氏との関連が深い。

【ご利益】
地域安全、家内安全
飛鳥田神社 京都府京都市伏見区横大路柿ノ本町
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