賀茂建角身命の御子で神饌用祭器具を製作した神、上賀茂境内末社
土師尾社 京都府京都市北区上賀茂本山NO1
[住所]京都府京都市北区上賀茂本山
[電話]075-781-0011 - 賀茂別雷神社

土師尾社(はじおのやしろ)は、京都府京都市北区上賀茂本山、賀茂別雷神社(上賀茂神社)の境内にある神社。土師尾神社とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 愛宕郡「賀茂波尓神社/賀茂波爾神社」(小社)、「小野神社二座」(小社、鍬靫)に比定される式内社の論社。上賀茂神社の境内末社。

創祀年代は不詳。現在、上賀茂神社本殿が鎮座する神域内に祀られる小祠で、中門内にあるため一般者の参詣はできない。正月三が日は中門の中まで参拝が許される。

御祭神は賀茂玉依比古命(かもたまよりひこ)。賀茂建角身命の御子で、賀茂県主氏と西埿部氏(にしはにべし)の祖神である。神饌用祭器具を製作した神。

賀茂県主氏が賀茂の地に定着して上下社に奉祀するようになって以来、西埿部氏も賀茂・幡枝・木野・岩倉などに定住して陶器の製作に当たった。

西埿部氏は、賀茂社の発展にともなって陶器の製作も盛んになり、その祖神の御神霊を上賀茂神社の境内に奉斎したのが当社とされる。

『神饌姓氏禄』によれば、西埿部氏は「山城国神別(天神) 西埿土部 鴨県主同祖 鴨建玉依彦命之後也」とある。

ただし、社名からは土師氏が連想される。土師氏も波爾(はに)、つまり埴輪の「埴」と関連深い。

ともかく、鎌倉時代の建保(1214年-1219年)、現在地に遷座したという。もとの鎮座地は不詳。

しかし、時代の推移と当社が中門内奥深く祀られたこともあって、人々の参拝から隔離され、次第に陶器神を祀る社という信仰から遠ざかってしまったという。

例祭は4月21日。現社殿は江戸時代前期の寛永5年(1628年)に造営されたもので、国の重要文化財に指定されている。

なお、式内社「賀茂波尓神社」の論社は他に、賀茂御祖神社(下鴨神社)境外摂社の賀茂波爾神社がある。

また、式内社「小野神社二座」の論社は他に、崇道神社の境内社、同じく上賀茂神社境内にある土師尾社がある。

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土師尾社 京都府京都市北区上賀茂本山NO2
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