岡本郷の産土が式内比定根拠、室町期創祀の粟穂弁財天
厳島神社 京都府京都市左京区静市市原町1415
[住所]京都府京都市左京区静市市原町1415
[電話]-

厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、京都府京都市左京区静市市原町にある神社。叡山電鉄鞍馬線の市原駅の西すぐ。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 愛宕郡「鴨岡本神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

『山州名跡志』によれば、室町時代の永享2年(1430年)の創祀だという。社伝に創祀の伝承が残っている。

それによれば、村の老人の夢の中にお告げがあった。美女が忽然と枕元に現れ、「吾は河上に住む弁財天である。家は西方にあって心は東南に通う」と述べた。

さらに、「鞍馬寺の毘沙門天との誓約があり、多門天の近隣に居を移し、王城を鎮護したい。ここは福地であり、吾ここに住める。吾を留めるならば福栄する」と言った。

老人は目覚めて奇妙だと思い、暁に河に出てみると、6寸の白蛇が粟の穂の上に座していた。村中で協議し、先に仮殿に移し、その後、社壇を造った。

この美女=白蛇が粟穂御前で、粟穂弁財天、厳島弁財天などとも呼ばれた。鞍馬川の水に対する信仰とも。旧野中村の産土神として崇敬された。

室町時代の話であり、平安時代前期の『延喜式』のことであって、その意味では式内社足りえない。

この粟穂弁財天に先行する祭祀が行われていた可能性があり、市原は昔、岡本郷と呼ばれていたため、式内社「鴨岡太神社」は岡本の産土神だろうということで、論社。

叡山電鉄鞍馬線の線路の東側、当社と対のようになって大神宮社が鎮座するが、同じ理由で論社になっている。

式内社「鴨岡太神社」は他に、北区上賀茂岡本町の幸神社賀茂別雷神社(上賀茂神社)境内末社の山森社があるが、とすると、こちらは式内社名の「鴨」を重視した結果か。

当社の現在の御祭神は市杵嶋姫命。拝殿には、弘法大師空海作といわれる天女像が安置されているという。例祭は11月3日。

【ご利益】
技芸・スポーツ上達、金運、開運招福
厳島神社 京都府京都市左京区静市市原町
【関連記事】
京都府の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、京都府に鎮座している神社の一覧