社殿後ろに人骨埋葬の4世紀円墳、玉類や剣なども出土
宗形神社 岡山県岡山市北区大窪193
[住所]岡山県岡山市北区大窪193
[電話]086-295-0154

宗形神社(むなかたじんじゃ)は、岡山県岡山市北区大窪にある神社。県道239号線、馬屋下小学校の近く。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 備前国 津高郡「宗形神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。

備前国一宮である吉備津彦神社の北3キロほど、宗形山と呼ばれる小さな丘の上に鎮座し、丘全体が神域である。

創祀年代は不詳だが、筑紫(福岡)の宗像からの勧請とされる。当地の西には砂川、東には中川が流れ、吉備中山の東あたりで合流し、児島湾へと流れる。

古代には当地域辺りまで入り江になっていたようで、航海の守護神として崇敬された。

また、当社の創祀に関しては、やはり赤坂郡の式内社である赤磐市是里の当社と同名の神社との関連が指摘される場合がある。

社殿の後ろに円墳がある。平成9年(1997年)7月に新たに発見され、男女の人骨とともに副葬品が発掘された。いわゆる宗形神社古墳である。

直径約15メートル、高さ2メートル。埋葬施設は箱式石棺構造で、内面に赤色顔料が塗られている。当社の祭祀の古さを物語る。

この古墳は4世紀後半に築かれたものとされ、眼下に見渡せる大窪地区一帯に根を下ろした、中小の首長の墓と考えられている。

『備前国神名帳』神上金剛寺本に「正四位下 宗形大明神」、備前一宮吉備津彦神社左楽頭本にも「宗形神社」とあり、本郡二所の名社とされる。

主祭神は、田心姫命湍津姫命市杵島姫命宗像三女神。明治4年(1871年)、郷社に列し、明治40年(1907年)に神饌幣帛料共進社に指定された。

昭和12年(1937年)、本殿が改築された。周囲には板垣が巡らされている。この際、玉類や剣などが出土した。

平成になって発見された先の円墳との関連が指摘されている。なお、この現在の本殿は、正面3間・側面2間、流造で、もとは桧皮葺き、後に銅板葺きに変更された。

境内摂社に疫神社(素盞鳴命)があり、本社の相殿として祀られている。他に、境内末社として、祖霊社がある。

【ご利益】
海上・交通安全、安産、一族・子孫繁栄
宗形神社 岡山県岡山市北区大窪
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