旧暦正月に現在は対馬唯一の亀卜神事、サンゾーロー祭
雷神社 長崎県対馬市厳原町豆酘2852
[住所]長崎県対馬市厳原町豆酘2852
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雷神社(いかづちじんじゃ)は、長崎県対馬市厳原町豆酘にある神社。下対馬の南端、県道24号線、豆酘の村落の奥。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 対馬国 下県郡「雷命神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。御祭神は雷大臣命。神功皇后の審神者(サニワ)を勤めた中臣烏賊使主(なかとみのいかつのおみ)のことである。

『新撰姓氏録』には、天児屋根命十四世孫とある。凱還の後、対馬県主となり豆酘に館をかまえた。

以後、韓邦の入貢を掌り、祝官に祭祀の礼を教え、太古の亀卜の術を伝えた。おそらくその死後、その古跡に祠を建て、亀卜の神として奉斎されたという。

現在も旧暦正月3日に亀卜神事、サンゾーロー祭が行われる。サンゾーローとは、祝言の中で参列者が「おお、参候(さんぞうろう)」と応答することに由来している。

もともと対馬各地には卜部の家系がいくつかあり、世襲されていたが、今ではほとんど継承されておらず、現在では当社の岩佐家に伝わるのみ。

祠の前で火鉢の炭で焼いた付け木を亀の甲羅に当て、ひび割れた状態から天啓を得、半紙に占いの結果を書く。天下国家の吉凶を占う祭事。

明治4年(1871年)の廃藩までは、対馬藩の公式行事として行われていたが、その後行われなくなり、豆酘地区で村行事として存続している。

正式に行うには多くの手間と人出が必要なために、昔と比べれば現在は簡略化された。本来の卜術や作法は失われているとも言われ、存続が危ぶまれている。

式内社「雷命神社」は承和10年(843年)9月に従五位下、貞観12年(870年)に正五位下を授けられた。他の論社に、阿連の式内同名神社がある。

近世までは嶽之大明神と称していたが、明治7年(1874年)6月、村社に列した。

【ご利益】
五穀豊穣、平穏安寧
雷神社 長崎県対馬市厳原町豆酘
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