「天の川」伝承、5柱を祀った幡宮・五所姫大明神、合祀後跡地
[住所]長崎県壱岐市郷ノ浦町田中触877
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天手長比売神社(あまのたながひめじんじゃ)は、長崎県壱岐市郷ノ浦町田中触にある神社跡地。天手長男神社の鳥居正面、川を挟んで、100メートルほど南の森の中。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 壱岐国 石田郡の「天手長比賣神社」(名神大社)、壱岐郡の「手長比賣神社/手長比売神社」に比定される式内社の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。もとは幡宮・五所姫大明神と呼ばれた。栲幡千々姫尊を主神に、左に稚日女尊木花開耶姫命、右に豊玉姫命玉依姫命の女神5柱を祀っていた。

現在は社前の川は狭くなっているが、川を挟んで向かいの神と年に一度の逢瀬を楽しんでいたという民話「天の川」の言い伝えが残っている。

江戸時代前期の延宝4年(1676年)6月、式社改めにおいて、天手長男神社と同様、橘三喜が式内社「天手長比賣神社」に比定した。

比定の当否はともかく、当社は平戸藩主が一貫して崇敬した神社で、大祭に際しては神幸式、流鏑馬の神事が馬廻りの武士の代参のもと執行された、壱岐の神社十七社の一つ。

往昔、5月28日に軍越神事(くさこえしんじ)が斎行された。住吉神社の異敵降伏・国家安穏の神秘な神事。

神職数人が騎馬で住吉・志原・深江三所にある軍越神社を巡詣し、途中一定の場所で戌亥の方に向かって矛を振り、闘の声を上げて呪術を行う。

当社祠官はこの神事に参加し、この一行は当社にも参詣して幣帛を奉ったと伝わる。

明治になり、村社に列し、大正4年(1915年)6月、神饌幣帛料供進社に指定された。

昭和40年(1965年)、天手長男神社に合祀され、現在は鳥居のみ、境内には社殿はなく、磐境のように木に御幣が添えられている。

他に、逆立ち狛犬を載せた灯篭、狛犬、祭壇のようなものがある。廃絶感は強いが、スピリチュアル愛好家の間で人気が高いパワースポットになっている。

式内社「天手長比賣神社」の論社は他に、芦辺町国分の國片主神社がある。また、式内社「手長比賣神社」の論社は他に、勝本町本宮に式内同名神社があり、勝本浦に聖母宮がある。

【ご利益】
縁結び、子宝・安産、リフレッシュ
天手長比売神社 長崎県壱岐市郷ノ浦町田中触
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