江戸時代には式内・室比賣神社と比定する資料が多数という古社
阿津神社 徳島県海部郡海陽町相川阿津1
[住所]徳島県海部郡海陽町相川阿津1
[電話]-

阿津神社(あづじんじゃ)は、徳島県海部郡海陽町相川阿津にある神社。国道193号線から県道298号線を西進。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 那賀郡「室比売神社/室比賣神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創立年代は不詳。往古より室比売神社と称し、遠近の崇敬が篤かったという。室町時代の永亨元年(1429年 )の棟札写に、式内室比売神社とある。

『阿波志』に、「室比売祠……或は曰く、海部郡相川村室津阿津神是也。相川村に御室祠あり」とある。

また 『阿府志』には「室比売神社、相川村室津と云ふ所に在り。安津明神と号す、吾田鹿葦津姫を祭る。又木花咲耶姫、大山祇等大宣津姫之娘也と」とある。

『大日本史』に「室比売神社、今在海部郡相川村室津称阿津明神者蓋是」。『寛保帳』に「相川村三室大明神、神主細野村、惣太夫(式内室比売神社恐是 )」とある。

『神社覈録』に「室は牟呂と訓べし。比売は假字也。祭神明か也。在所慥ならず。当国神社帳。相川村、御室大明神と云うあり」とある。

室比売神については、第9代開化天皇の皇子に日子坐王がおり、その子に室日古王がいる。その妃神であるともいう。

『海部郡取調廻在録』には「神社、小名室津、阿津大明神、此社は延喜式神名帳に出たる室比売神社とまふし伝ふ」とある。

明治3年(1870年)、現社号に改称した。現在までに御祭神は木花開耶姫命。昭和28年(1953年)、付近の12社を合祀した。

安産のみならず、子宝の神としても崇敬されているようで、境内の建物の内部に、木彫りの男根や女陰が並べられている。

なお、式内社「室比賣神社」の論社は他に、阿南市新野町入田の室姫神社がある。

【ご利益】
安産、子宝
阿津神社 徳島県海部郡海陽町相川阿津
【関連記事】
徳島県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、徳島県に鎮座している神社の一覧