町内最古の室町期の棟札、もとは十二所権現、昭和に改称
[住所]徳島県美馬市穴吹町三島舞中島52
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伊射奈美神社(いざなみじんじゃ)は、徳島県美馬市穴吹町三島舞中島にある神社。穴吹駅の西1キロほど。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 美馬郡「伊射奈美神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。『名神序頌』によれば、平安時代前期の貞観年間(859年-877年)の創建という。

ただし、平安時代直前となる延暦7年(788年)、国司奉幣があったともされるから、それ以前の創祀とも考えられる。

『日本三代実録』貞観11年(869年)3月、従五位下に進んだ。下って室町時代の応永3年(1396年)と天文元年(1532年)、社殿造営の記録が残る。

古くは十二社大権現・十二所大権現と称した。『阿波志』が式内社「伊射奈美神社」に比定した口山尾山の十二所神社は、当社の奥宮である。

舞中島は、もともと陸続きの地だったが、安土桃山時代の天正10年(1582年)の洪水で、吉野川と妙蓮川に挟まれた中州となった。この洪水で、当社も流出したという。

流出後の文禄3年(1594年)、社殿が再建されたようだ。応永3年、天文元年の棟札を含めて現存しており、応永3年のものは、穴吹町最古の棟札だという。

明治までは十二所明神、十二所大権現と称し、明治12年(1879年)に十二所神社と改称した。

明治43年(1910年)、舞中島の武田神社・若宮神社・横野神社・大柳神社・稲荷神社・建神社を合祀した。

御祭神は、伊射奈美命(イザナミ)・武甕槌命経津主命猿田彦命。昭和になって、式内社であるということから、現社号に改めた。

例祭は不定期に開催される秋季例大祭。4月22日には夏季大祭がある。

社殿の前には明治10年(1877年)建立の出雲狛犬が一対安置されており、社殿裏手には以前のものと思われる、ボロボロとなった狛犬が置かれている。他に社日がある。

なお、式内社「伊射奈美神社」の論社は他に、当社奥宮の先の十二所神社の他、美馬町に当社および式内同名神社、脇町猪尻の八幡神社、吉野川市山川町の高越神社がある。

イザナギの神名を関する式内社は全国に七社あるとされるが、対となるイザナミを関する式内社は、阿波国美馬郡のみで、淡路伊佐奈伎神社との関連が指摘されている。

【ご利益】
安産、家内安全、地域安全
伊射奈美神社 徳島県美馬市穴吹町三島舞中島
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