阿波富士とも呼ばれる霊山、忌部氏・役小角・空海より前から?
[住所]徳島県吉野川市山川町木綿麻山4
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高越神社(こうつじんじゃ)は、徳島県吉野川市山川町木綿麻山にある神社。阿波の霊山で、阿波富士の別名がある、海抜1122メートルの高越山山頂に鎮座する。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 美馬郡「伊射奈美神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。社伝によれば、当地を開拓した忌部の祖である天富命が、その祖神を山頂に祀ったとされ、忌部の里の霊山として崇敬された。

その後、役之行者小角が開基して、本尊蔵王権現脇仏千手観音を祀り、以来吉野川沿い住む住民はオコーツアンと仰いだという。

平安時代前期の延暦20年(801年)、弘法大師空海が当山に登り、修行した。その遺跡があるという。貞観11年(869年)には従五位下となった。

武家の時代になると、力を授かるとの信仰をもとに、崇敬された。

御祭神は天日鷲命(あめのひわしのみこと)。神仏習合で、当社は長い間、高越寺と同体で高越権現と呼ばれていたが、明治になり、分離。

高越権現は高越寺に祀られている。その後、当社は明治20年(1887年)、川田八幡神社に合祀されたが、明治35年(1902年)に再び現在地に祀られ、現在に至る。

そのため、山頂には高越寺があり、高越寺境内の左手に、上に続く石段があり、石段の上に、当社扁額がかかった木製の鳥居が立つ。

現在までに、天御中主神伊弉諾命伊弉册命天照皇大神安閑天皇国常立神高皇産神神皇産神・三十八社神・瓊瓊杵神天児屋根神齋主神武雷神大山祇神を配祀する。

例祭は旧暦9月24日。8月18日に行われる夏祭(十八山)では、山頂一帯に法螺貝が鳴り響き、女性の山頂登拝は禁止され、女性は山門横の女人堂にこもるという。

他に、旧暦3月15日に春祭が行われる。

この流れの中では、特段、式内社「伊射奈美神社」の論社である根拠は見いだせない。高越山は「神山(かみつやま)」の転訛で、忌部氏以前からの霊地とする見方がある。

弘法大師像・経塚跡がある山頂から200メートルほど北側へ下ると、「奥の院 蔵王大権現」と「高越大権現」がある。実際は、伊邪那美命を祀ったものである、とも。

そもそも、高越山は伊邪那美命の神陵だとの伝承も残る。女人禁制の風習が続いたのも、伊邪那美命の嫉妬を忌んだため、とも考えられる。

当地周辺には、迦具土神出産による火傷で死ぬ時にした糞と尿の神を祀る式内社「波尓移麻比弥神社」「弥都波能賣神社/弥都波能売神社」がある。それぞれ論社は多数にのぼる。

式内社「伊射奈美神社」の論社は他に、美馬市の美馬町穴吹町に式内同名神社、口山尾山の十二所神社、脇町猪尻の八幡神社がある。

イザナギの神名を関する式内社は全国に七社あるとされるが、対となるイザナミを関する式内社は、阿波国美馬郡のみで、淡路伊佐奈伎神社との関連が指摘されている。

【ご利益】
身体壮健、健康長寿、リフレッシュ
高越神社 徳島県吉野川市山川町木綿麻山
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