もとは伊射奈美神社とも、戦国時代に八幡が遷座
八幡神社 徳島県美馬市脇町大字猪尻八幡神社下南42
[住所]徳島県美馬市脇町大字猪尻八幡神社下南42
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八幡神社(はちまんじんじゃ)は、徳島県美馬市脇町猪尻八幡神社下南にある神社。旧地名は字西上野で、上野の八幡さんなどとも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 美馬郡「伊射奈美神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

脇町は、四国山地と阿讃山脈にはさまれて、東西に流れる吉野川の北岸にあり、河岸段丘と扇状地が特徴。当社も典型的な河岸段丘の上に鎮座する。

創祀年代は不詳。もともと当社は、伊邪那美命を祀っていたという。社名も八幡ではなく、式内社名だったのかもしれない。

戦国時代の天文2年(1533年)9月、洪水により土佐国幡多山に鎮座していた八幡宮が、当地に流れ着いた。

センダンの木に掛かっていたものを、当時の脇城主だった武田信顕が城内に祀り、後に、現社地に遷座したという。

伊射奈美神社から八幡宮が主となり、現社号に定着したとされる。御祭神は誉田別命気長足姫命・姫大神・伊邪那美命を配祀する。

河岸段丘の上であるため参道は階段。それを登った境内には、拝殿・本殿の他、境内社が一宇ある。境内の西横に、山村農家の遺構である「旧長岡家住宅」がある。

なお、式内社「伊射奈美神社」の論社は他に、吉野川市山川町の高越神社、美馬市の美馬町穴吹町に式内同名神社、口山尾山の十二所神社がある。

イザナギの神名を関する式内社は全国に七社あるとされるが、対となるイザナミを関する式内社は、阿波国美馬郡のみで、淡路伊佐奈伎神社との関連が指摘されている。

脇町には、拝原に八大龍王神社と猪尻に建神社があり、いずれも式内社「弥都波能賣神社/弥都波能売神社」の論社で、弥津波能売命(水波能女神)を祀る。

また、北庄には波爾移麻比禰神社があり、式内社「波尓移麻比弥神社」の論社で、埴山姫神を祀る。これらいずれも、伊邪那美命の子神である。

【ご利益】
厄災除け、安産、五穀豊穣
八幡神社 徳島県美馬市脇町猪尻八幡神社下南
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