天城山の麓の式内論社、三好家が氏神として勧請
八幡神社 徳島県三好市三野町清水1077
[住所]徳島県三好市三野町清水1077
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八幡神社(はちまんじんじゃ)は、徳島県三好市三野町清水にある神社。正八幡宮、清水八幡とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 美馬郡「建神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。式内社「建神社」の社名である「建」は、嶽のことであるとして、天城山の麓にある当社が比定されるという論拠。

その地に、戦国時代の永正元年(1504年)、三好長輝によって、三好家の氏神として創建という。

あるいは、三好長慶ゆかりの社ともされ、信州川中島の八幡宮の御分霊を当地に奉遷、太刀野山二老根・滝奥の高台に祀ったとも。

その後、清水の現在地に遷座し、地区の氏神として祀られたものという。近年まで、滝奥の氏子が当社の神輿渡御に参加していたという。

境内の西北隅に八大荒神があり、もとは八大荒神の社地があったところに、八幡宮が勧請されたという説もある。

どちらにしても、比定が正しければ、戦国時代には式内社「建神社」は衰微・廃絶していた、ということになるか。

鎮座地の清水は、当地に清水が湧き、周辺の田畑を潤していたことから名付けられたという。当地は古代農村地帯であるという。

天正年間(1573年-1593年)、兵火で焼失したようだが、地域の氏神として、一貫して崇敬されたらしい。

御祭神は、仲哀天皇応神天皇神功皇后・気長足姫命。神功皇后と気長足姫命は同一神。合祀などがない限り、通常はこのような形にはならないと思うが。

合祀の記録は特にないようである。また、すべての資料で、仲哀天皇が筆頭に記載されているのも特徴。

例祭は現在、10月25日。近隣の天神社と隔年で神輿渡御と屋台の巡行がある。以前までは、当社が10月15日、天神社が10月25日だったという。

屋台の大太鼓1人、小太鼓2人、鉦2人。近年では、打ち子が揃ったときに出る、揃わない年は出ないという状況だという。他に、4月15日と6月15日にも祭典がある。

なお、式内社「建神社」の論社は他に、美馬市脇町美馬郡つるぎ町に式内同名神社があり、三好市池田町松尾大申の竹神社がある。

【ご利益】
厄災除け、安産、諸願成就
八幡神社 徳島県三好市三野町清水
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