もとは天王宮・天王社、幕末発見の古鏡に式内社名入り
建神社 徳島県美馬市脇町猪尻建神社下南1
[住所]徳島県美馬市脇町猪尻建神社下南1
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建神社(たてじんじゃ)は、徳島県美馬市脇町猪尻にある神社。天王宮とも。県道12号線、撫養街道の拝原交差点の近く。階段を上がった高台にある。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 美馬郡「建神社」「弥都波能賣神社/弥都波能売神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。明治までは、牛頭天王と称していた。幕末の嘉永5年(1852年)建立の鳥居の扁額にも「天王宮」とあり、通称は天王社。

幕末に社地から古鏡が出土し、その一面に「奉建神社貞永元年八月吉辰」と銘があったという。貞永元年は鎌倉時代の1232年。

これが式内社「建神社」比定の根拠となっているが、現在、この古鏡は所在不明で、信頼性は薄いとする説もあるという。

式内社「建神社」の論社は他に、美馬郡つるぎ町の当社および式内同名神社、三好市池田町松尾大申の竹神社、三好市三野町清水の八幡神社がある。

御祭神は建速須佐之男命。当社の各所に木瓜の紋が見られ、祇園八坂神社と同じで、牛頭天王社・八坂神社系であることがわかる。

式内社「弥都波能売神社」の根拠としては、「拝西の西端で脇町への道の下に清泉が湧いていたとされ、土地の人はこの水を「水神さん」と呼んでいたことによる。

地名辞書にも拝原に竜王の祠があると記載されているとも。ただ、これもよく分からない。

式内社「弥都波能売神社」の論社は他に、三好市井川町の武大神社、脇町拝原の八大龍王神社、美馬町滝ノ宮の八坂神社がある。

式内社「弥都波能売神社」は時に、「波尓移麻比弥神社」と次いで語られる。武大神社の場合、その近隣に馬岡新田神社がある。

当社の場合、北数キロに波爾移麻比禰神社がある。また、吉野川の対岸には、式内社「弥都波能売神社」「波尓移麻比弥神社」の母神である伊邪那美命ゆかりの高越山と高越神社がある。

なお、式内社「伊射奈美神社」の論社は多く、当社と同じ脇町緒尻、すぐ近くに八幡神社がある。

当社の祭りは、拝原西地区のみの氏子によって行われるため、「拝原の祭りは七祭り半」と呼ばれる。

【ご利益】
厄災除け、無病息災、病魔退散
建神社 徳島県美馬市脇町猪尻建神社下南
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