月読尊が田寸津姫命を派遣した大滝山、空海ゆかり、狼撃退の狛犬
[住所]徳島県美馬市脇町西大谷672
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西照神社(にしてるじんじゃ)は、徳島県美馬市脇町西大谷にある神社。大滝山西照神社とも、月神の宮とも。阿讃山脈大滝山の頂に鎮座する。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 美馬郡「田寸神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

大滝山は、徳島県美馬市と香川県高松市の境に位置する山で、標高946メートル。厄除総本宮として崇敬されている。

社伝によれば、夜の食国(よるのおすくに)を統治する月読尊が、大和国方面の監視役として田寸津姫命を大滝山に遣わし、ここから瀬戸内海の監視をさせた。

平安時代前期、弘法大師空海がこの山に籠もって修行を行い、西照大権現を安置したことにより、神仏混淆の山岳道場となった。

以降、明治時代に至るまで「西照権現」と称した。江戸時代には徳島藩家老稲田氏の崇敬を受け、社領として9石8斗を寄進された。

また、高松藩主の祈願所として、50石が営繕費として寄進された。明治初期の神仏分離令により神社と寺院(大瀧寺)に分離された。

明治6年(1873年)、現社号に改称され、郷社に列した。御祭神は主神が月読尊、配神が田寸津姫命・田心姫命市杵島姫命

例祭は11月で秋季例大祭。4月第4日曜日に春季の太々神楽祈願祭があり、春祭りで、神楽が催される。7月に夏越しの大祓があり、茅の輪くぐりが行われる。

江戸時代後期の天保14年(1843年)に奉納された狛犬がある。ある夏の夜、ここを通りかかった母子が狼に追われて当社の祠に逃げ込んだ。

狼がこの母子に襲いかかろうとしたところを、この狛犬が狼を撃退したという伝説が残っている。

境内社に稲荷神社(例祭は2月初午祭)がある。他にも祖霊社や、熊野神社と八大竜王社(八大龍王社。例祭は6月)など、多くの石祠が祀られている。願い石もある。

灯明杉がある。この大スギは幹周4.5メートル、樹高約50メートルの老木で、通称は「西照神社の千年杉」。樹齢は500年ほどとされる御神木。

日清戦争が布告された明治27年(1894年)8月1日の夜、千年杉の穂先に突然点った灯りが毎晩のように煌々と輝き、四囲の村々を照らし続けた。

翌年4月17日の晩、その灯りが不意に消えて、翌朝は講和戦勝の報が入った。次に日露戦争の時にも同じ現象が起ったとされる。

付近にブナの原生林がある。ちなみに、大瀧寺は、四国別格二十霊場20番札所で、四国八十八ヶ所総奥の院だという。

なお、式内社「田寸神社」の論社は他に、加茂の式内同名神社鴨神社、中庄の八幡神社、三好市井川町の武大神社がある。

【ご利益】
厄災除け(公式HP
西照神社 徳島県美馬市脇町西大谷
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西照神社 徳島県美馬市脇町西大谷の御朱印