舒明朝の創建とも、那須余一が分霊・再建、歴代黒羽藩主の崇敬
[住所]栃木県大田原市中野内1942
[電話]0287-59-0281

温泉神社(おんせんじんじゃ)は、栃木県大田原市中野内にある神社。大宮温泉神社とも。県道27号線が県道179号線に分岐するところを27号線沿いに北上。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東山道神 下野国 那須郡「温泉神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

『神社名鑑』によれば、飛鳥時代、第34代舒明天皇(在位:629年-641年)の御宇、郡司狩野行応が創建したという。

高尾温泉明神とも高尾神社とも称され、高尾と称したのは、もとは高龗命を祀っていたためともされる。御祭神は、大己貴命少彦名命

奈良時代、第46代孝謙天皇の天平年間(729年-749年)に高尾森に勧請された、ともされる。その後、那須氏が守護神とした。

さらに、昔、那須原に野狐が棲み、民に害をなしていたが、これを討ち取れたのは温泉神の御加護によるものと、社殿が造営されたとも。

平安時代前期の大同2年(807年)、那須貞信(須藤貞信)が守護神として勧請・遷座し、鎌倉時代初期の文治年間(1185年-1189年)に那須宗隆与一が再建した。

5代藩主大関信濃守増栄(在位:1662年-1688年)が、高尾森より現在の檀山大宮の地を神地と定め遷座、明治4年(1871年)まで、領主大関氏が代々修繕や祭典を執行した。

一方で、栃木県神社庁によれば、鎌倉時代初期に那須余一が那須の温泉神社を分霊し、高館城内に建立した、とも。

それによれば、下野国黒羽藩3代藩主大関土佐守高増(在位:1616年-1646年)が現在地に遷座した。那須家より拝名した小泉家が代々神職を務めていたが、明治からは変わった。

明治12年(1879年)5月、社殿が焼失したが、翌明治13年(1880年)には再建された。大正4年(1915年)から翌年にかけて、18社を合併した。

現在までに名城入姫命・高日子根命大山祇命・別雷命・木花咲耶姫命稲倉魂命素戔嗚命・高龗命・伊弉册命訶遇槌命・火霊命・大日霊命を配祀する。

名城入姫命は不詳だが、可能性としては、第10代崇神天皇皇女である渟名城入姫命か、豊鍬入姫命だろうか。

例祭は4月10日で例大祭。現在は4月第2日曜日。2月19日に祈年祭、7月24日に夏越の大祓、9月11日に風雨順和祭、11月23日に新嘗祭、12月31日に歳旦祭がある。

境内の左手に神楽殿があり、その近くに天満宮(例祭:2月19日)がある。他に、鎧神社・加茂神社・稲荷神社・厳島神社などの境内社がある。

なお、式内社「温泉神社」の論社は他に、先述の那須町の温泉神社がある。

【ご利益】
家内安全、学業成就、諸願成就
温泉神社 栃木県大田原市中野内
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