確実に1000年以上前から存在、1000年以上にわたって存在する神社
延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)は、平安時代の延長5年(927年)にまとめられた『延喜式』の巻9・10のことで、当時「官社」に指定されていた全国の神社一覧である。
延喜式神名帳に記載された神社を「延喜式の内に記載された神社」の意味で延喜式内社、または単に式内社(しきないしゃ)、式社(しきしゃ)といい、一種の社格となっている。
つまり、式内社とは、確実に1000年以上前から存在し、後継も含め、現在まで1000年以上にわたって存在する神社、ということでもある。
式内社は全国で2861社で、そこに鎮座する神の数は3132座である。ただし、実際に神名が記されているわけではなく、正確には神社名の羅列であり、神社帳のほうがより正しいか。
長い年月の間の浮き沈みにより、式内社を現在の神社に当てはめる、つまり比定することが難しくなっていることも多い。一つの式内社に対して、複数の候補の神社が挙がる場合があり、これを論社と呼ぶ。
式内論社とも。正確には式内社ではないかもしれない、というものも含まれている可能性はあるが、完全には否定できないので、論社といえども、式内社としてとらえられる場合がある。
そのため、式内社数は2861社でも、論社を含めれば、今現在式内社・式内論社の総数はおそらく4000社を超すと思われる。
また、数は少ないが、実際に現在は廃絶してしまっているものもある。一旦は廃絶、あるいは他の神社に合祀されたが、現在までに旧地に復興しているなどのケースもある。後継社という言い方がされる場合がある。
やはり数は少ないが、現在までにその痕跡を全く見い出せず、完全な所在不明、というものもある。
『延喜式』に先行する、『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『文徳天皇実録』『日本三代実録』のいわゆる六国史に記載されている神社を国史現在社(国史見在社)と呼ぶ。
この国史見在社の中で、延喜式神名帳に記載のない社を特に「式外社」と呼ぶ。さらに解説を読む
その後延暦17年(798年)に、引き続き神祇官から幣帛を受ける官幣社と、国司から幣帛を受ける国幣社とに分けられた。
式内社では、官幣社が573社737座、国幣社が2288社2395座。国幣社が設けられたのは、遠方の神社では祝部の上京が困難なためと考えられるが、遠方でも重要な神社は官幣社となっている。
次が大社と小社の別。この別はその神社の重要度や社勢によったと考えられる。官幣社・国幣社および大社・小社はすべての式内社について定められたので、式内社は以下の四つに分類されることとなる。
・官幣大社 - 198社304座
・国幣大社 - 155社188座
・官幣小社 - 375社433座
・国幣小社 - 2133社2207座
官幣大社は畿内に集中しているが、官幣小社は全て畿内に、国幣大社と国幣小社は全て畿外にある。なお、近代社格制度にも同じ名称の社格があるが、式内社の社格とは意味が異り、偶然同じになる場合もあるかもしれないが、基本的に関連はない。
また、式内社の中には、祈年祭以外の祭にも幣帛を受ける神社があり、社格とともに記された。
・名神 - 名神祭(特に霊験灼かな名神を祀る臨時祭)が行われる神社。すべて大社のため、名神大社、略して名神大とも。
・月次 - 月次祭(6月と12月の年2回行われる祭)に幣帛を受ける神社。
・相嘗 - 相嘗祭(新嘗祭に先立ち新穀を供える祭)が行われる神社。
・新嘗 - 新嘗祭(毎年11月に行われる1年の収穫を祝う祭)に幣帛を受ける神社。
TOPに戻る
【関連記事】
・神社いろいろ - 社格や形式などで神社を分類したまとめ - 『延喜式』と神社
延喜式神名帳に記載された神社を「延喜式の内に記載された神社」の意味で延喜式内社、または単に式内社(しきないしゃ)、式社(しきしゃ)といい、一種の社格となっている。
つまり、式内社とは、確実に1000年以上前から存在し、後継も含め、現在まで1000年以上にわたって存在する神社、ということでもある。
式内社は全国で2861社で、そこに鎮座する神の数は3132座である。ただし、実際に神名が記されているわけではなく、正確には神社名の羅列であり、神社帳のほうがより正しいか。
長い年月の間の浮き沈みにより、式内社を現在の神社に当てはめる、つまり比定することが難しくなっていることも多い。一つの式内社に対して、複数の候補の神社が挙がる場合があり、これを論社と呼ぶ。
式内論社とも。正確には式内社ではないかもしれない、というものも含まれている可能性はあるが、完全には否定できないので、論社といえども、式内社としてとらえられる場合がある。
そのため、式内社数は2861社でも、論社を含めれば、今現在式内社・式内論社の総数はおそらく4000社を超すと思われる。
また、数は少ないが、実際に現在は廃絶してしまっているものもある。一旦は廃絶、あるいは他の神社に合祀されたが、現在までに旧地に復興しているなどのケースもある。後継社という言い方がされる場合がある。
やはり数は少ないが、現在までにその痕跡を全く見い出せず、完全な所在不明、というものもある。
『延喜式』に先行する、『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『文徳天皇実録』『日本三代実録』のいわゆる六国史に記載されている神社を国史現在社(国史見在社)と呼ぶ。
この国史見在社の中で、延喜式神名帳に記載のない社を特に「式外社」と呼ぶ。さらに解説を読む
宮中京中 39座
大社33座 小社6座宮中坐神 36座
大社30座 小社6座京中坐神 3座
大社3座 小社0座畿内神 658座
大社231座 小社427座山城国 122座 MAP
大社53座 並月次新嘗 就中十一座預相嘗祭 小社69座 並官幣大和国 286座
大社128座 並月次新嘗 就中三十一座預相嘗祭 小社158座 並官幣河内国 113座 MAP
大社23座 並月次新嘗 就中八座預相嘗 小社90座 並官幣和泉国 62座 MAP
大社1座 小社61座摂津国 75座 MAP
大社26座 並月次新嘗 就中十五座預相嘗祭 小社49座 並官幣東海道神 731座
大社52座 就中一九座 預月次 新嘗等祭 小社679座伊賀国 25座 MAP
大社1座 小社24座伊勢国 253座
大社18座 就中十四座 預月次新嘗等祭 小社235座志摩国 3座 MAP
大社2座 小社1座尾張国 121座
大社8座 小社113座三河国 26座 MAP
大社0座 小社26座遠江国 62座
大社2座 小社60座駿河国 22座
大社1座 小社21座伊豆国 92座
大社5座 小社87座甲斐国 20座 MAP
大社1座 小社19座相模国 13座 MAP
大社1座 小社12座武蔵国 44座 MAP
大社2座 小社42座安房国 6座 MAP
大社2座 小社4座上総国 5座 MAP
大社1座 小社4座下総国 11座 MAP
大社1座 小社10座常陸国 28座 MAP
大社7座 小社21座東山道神 382座
大社42座 就中五座 預月次 新嘗祭案上 小社340座近江国 155座
大社13座 小社142座美濃国 39座
大社1座 小社38座飛騨国 8座 MAP
大社0座 小社8座信濃国 48座 MAP
大社7座 小社41座上野国 12座 MAP
大社3座 小社9座下野国 11座 MAP
大社1座 小社10座陸奥国 100座
大社15座 小社85座出羽国 9座 MAP
大社2座 小社7座北陸道神 352座
大社14座 就中一座月次新嘗 小社338座若狭国 42座 MAP
大社3座 小社39座越前国 126座
大社8座 小社118座加賀国 42座
大社0座 小社42座能登国 43座
大社1座 小社42座越中国 34座
大社1座 小社33座越後国 56座
大社1座 小社55座佐渡国 9座 MAP
大社0座 小社9座山陰道神 560座
大社37座 就中一座月次新嘗 小社523座丹波国 71座
大社5座 小社66座丹後国 65座
大社7座 小社58座但馬国 131座
大社18座 小社113座因幡国 50座
大社1座 小社49座伯耆国 6座 MAP
大社0座 小社6座出雲国 187座
大社2座 小社185座石見国 34座
大社0座 小社34座隠岐国 16座 MAP
大社4座 小社12座山陽道神 140座
大社16座 就中四座月次新嘗 小社124座播磨国 50座 MAP
大社7座 小社43座美作国 11座 MAP
大社1座 小社10座備前国 26座 MAP
大社1座 小社25座備中国 18座 MAP
大社1座 小社17座備後国 17座 MAP
大社0座 小社17座安芸国 3座 MAP
大社3座 小社0座周防国 10座 MAP
大社0座 小社10座長門国 5座 MAP
大社3座 小社2座南海道神 163座
大社29座 一〇座月次新嘗 就中四座相嘗 小社134座紀伊国 31座 MAP
大社13座 小社18座淡路国 13座 MAP
大社2座 小社11座阿波国 50座 MAP
大社3座 小社47座讃岐国 24座 MAP
大社3座 小社21座伊予国 24座 MAP
大社7座 小社17座土佐国 21座 MAP
大社1座 小社20座西海道神 107座
大社38座 小社69座筑前国 19座 MAP
大社16座 小社3座筑後国 4座 MAP
大社2座 小社2座豊前国 6座 MAP
大社3座 小社3座豊後国 6座 MAP
大社1座 小社5座肥前国 4座 MAP
大社1座 小社3座肥後国 4座 MAP
大社1座 小社3座日向国 4座 MAP
大社0座 小社4座大隅国 5座 MAP
大社1座 小社4座薩摩国 2座 MAP
大社0座 小社2座壱岐国 24座 MAP
大社7座 小社17座対馬国 29座 MAP
大社6座 小社23座補足解説
式内社には、各種の種別がある。まず官幣社と国幣社の別。官社とは、毎年2月の祈年祭に神祇官から幣帛を受ける神社のことで、各神社の祝部(ほうりべ)が神祇官に集まり幣帛を受け取っていた。その後延暦17年(798年)に、引き続き神祇官から幣帛を受ける官幣社と、国司から幣帛を受ける国幣社とに分けられた。
式内社では、官幣社が573社737座、国幣社が2288社2395座。国幣社が設けられたのは、遠方の神社では祝部の上京が困難なためと考えられるが、遠方でも重要な神社は官幣社となっている。
次が大社と小社の別。この別はその神社の重要度や社勢によったと考えられる。官幣社・国幣社および大社・小社はすべての式内社について定められたので、式内社は以下の四つに分類されることとなる。
・官幣大社 - 198社304座
・国幣大社 - 155社188座
・官幣小社 - 375社433座
・国幣小社 - 2133社2207座
官幣大社は畿内に集中しているが、官幣小社は全て畿内に、国幣大社と国幣小社は全て畿外にある。なお、近代社格制度にも同じ名称の社格があるが、式内社の社格とは意味が異り、偶然同じになる場合もあるかもしれないが、基本的に関連はない。
また、式内社の中には、祈年祭以外の祭にも幣帛を受ける神社があり、社格とともに記された。
・名神 - 名神祭(特に霊験灼かな名神を祀る臨時祭)が行われる神社。すべて大社のため、名神大社、略して名神大とも。
・月次 - 月次祭(6月と12月の年2回行われる祭)に幣帛を受ける神社。
・相嘗 - 相嘗祭(新嘗祭に先立ち新穀を供える祭)が行われる神社。
・新嘗 - 新嘗祭(毎年11月に行われる1年の収穫を祝う祭)に幣帛を受ける神社。
TOPに戻る
【関連記事】
・神社いろいろ - 社格や形式などで神社を分類したまとめ - 『延喜式』と神社
コメント