飛鳥朝に新羅国王が漂着、死後に霊夢で創祀の剣大明神
[住所]広島県福山市今津町6-15-10
[電話]084-933-2360

高諸神社(たかもろじんじゃ)は、広島県福山市今津町にある神社。松永湾の北、山陽本線の松永駅の西、国道2号線沿いに鎮座。国道参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳山陽道神 備後国 沼隈郡「高諸神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

地元では「たかもろさん」「おつるぎさん」と呼ばれ、古くから氏神として親しまれている。創祀は飛鳥時代の白鳳5年(676年)、もしくは白鳳7年(678年)とされる。

『福山史科』によると、白鳳5年、沼隈郡今津村の海岸に難破船が漂着した。乗人は3人で、言葉が通じない。

村長の田盛が筆談すると、新羅国王だという。田盛は彼を厚く遇し、朝廷にこれを報じた。しかし、朝廷から返答のないまま、翌年に王が没し、前の山に葬った。

さらにその翌年、田盛の夢に王が現れ、自分は須佐之男命(素盞嗚尊)だと言った。そこで田盛は王を祀った。これが剣大明神になった。

御祭神は、須佐之男命・劔比古神。この田盛も現在は境内の田盛神社で祀られている。他に境内社として、稲荷神社、弁財天神社と加佐守神社、王子神社と荒神社がある。

参道脇に厳島神社が祀られている。松永港の方を祠が向いており、新しい祠。港湾関係の方による勧請かもしれない。

また、当社の裏手には、疣神が祀られ、疣(いぼ)が取れる神として信仰され続けている。入口には、延命地蔵尊が祀られている。

本殿は大正2年(1913年)に再建されたもの。本殿が建てられている場所は、古い形式を残す磐境(いわさか)。

本殿の右手には、大三嶋大明神遥拝・太宰府天満宮遥拝の石碑があり、左手には、安芸厳島神社の遥拝所と思われる、宮島さんと書かれた石組みがある。

例祭は8月第1木曜日から6日間、夏祭りが開催され、地元の行事として賑わう。春には境内が桜で満開となり、夜桜見物を楽しむ人々も多い。

樹齢350年以上のハク(柏)の木があり、御神木として祀られている。社殿西南側の岩盤上に自生している。

目通り周囲3.7メートル、地上2メートルで分岐し、樹高約10メートルに達する、県内有数の巨木である。市指定の天然記念物。

境内入口の狛犬は台座に「尾道」とあり、江戸時代後期の文化13年(1816年)、尾道商人による奉納。

鳥居は、元禄7年(1694年)造立。境内の右側に忠魂碑があり、その横にはセメント製の「楠正成騎馬武者像」がある。

その横の常夜燈には「末廣町」とあり、「金刀比羅神社 明治廿三年九月建之」と刻まれている。明治23年は1890年。

正面の石段下に巨大な注連柱(標柱)があり、この注連柱は県下第3位の大きさ。王子神社の前の狛犬は幕末の文久2年(1861年)奉納のもの。

国道側にある出雲型の狛犬は、明治40年(1907年)造立。国道側にある常夜燈は大きく「天明八年」の刻銘がある。天明8年は江戸時代中期、1788年。

兼務社として、松永の潮崎神社、柳津の橘神社、沼隈の能登原八幡神社がある。なお、当社の近くには、霊石を蔵する井戸で知られる陰陽石神社がある。

【ご利益】
厄災除け、武運長久・勝運、交通安全、商売繁盛
高諸神社 広島県福山市今津町
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高諸神社 広島県福山市今津町の御朱印